伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2014/10/28)

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L型大学のモデル:ドイツの専門大学の話


http://d.hatena.ne.jp/next49/20141026/p2
[考察][モデル][日本][教育][大学][ドイツ][海外][法学]文中で指摘されてるけど、余計者扱いされてる文系研究者の研究成果があるからこそ、こういった大学の在り方について検討出来るということが、この上なく皮肉な構図だよね。


L型大学のモデル: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
[冨山和彦][ドイツ][大学][モデル][労働][教育]まあ、論者の立場的には色々あろうとも思うけど、あんな論外な話をもってあれはこういう話だから(震え声)なんてのはアカンでしょ。本質的に専門大学の立ち位置を設けるなら議論すべき話はもっと別に沢山ある

(追記)一昨日取り上げたG型大学、L型大学の話の続きです。両方とも岐阜聖徳学園大学短期大学部の寺澤幸恭教授の論文を引いていて、これ自体は出来れば概要解説をやりたいくらいの話です。取り上げる論者の態度と立ち位置で若干斜に構えたツッコミを入れたけど、価値のある研究だと思います。
ただ、根本的な話をするならば国内でも事業基盤を維持していきたい/せざるを得ない企業においては、正直ここで論じている専門大学卒業生が入り込む余地がどれだけあるのかというと疑問なところはあります。言ってみれば、ある種技芸に近い世界であれば極論若ければ若いほど良いという側面があって工業高校や専門学校の卒業生が採用されていくし、反面理論面を理解していないとどうにもならないような世界であれば結局学士・修士・博士をメインで採用しているわけです。そこに「TOYOTAで使われている最新鋭の工作機械の使い方」なんてものが必要になってくるかというと甚だ疑問なんですよね。
さらに言えば戦後この方職工階級(労働者階級)と事務員階級(中産階級)が融着された構造の中で、再びそれを分離することにメリットがあるのか? という点についての議論はすべきだと思う。

これは海外のプラント関係の事例を見てるとよくわかるんですが、欧米系のプラントだと基本的にオペレーターは設備について見ないし設備メンテナンス部隊はオペレーションなんて考えないわけです*1。労働関係の専門家的に言えばそこはジョブの世界で厳格に分離されている。そこのコントロールは基本的には中産階級であるエンジニアの仕事になるし、手の届かない部分で事故事例なんかも(あまり報告されないけど)起きているわけなんですよね。良くも悪くも日本の工場なんかは住宅地や商業地に比較的隣接していて、事故が発生したら従業員を逃して放置して保険で手当なんてことは難しいわけです。当然事故を未然に防ぐ仕組みというのはシステマティックにしなければいけない部分に加えてヒトの要素が加わらざるを得ない。まともに国内で事業を展開し続ける前提で言えば、間尺に合わないんですよね。そういった構成の場合。

更に言えば、もはや忘れ去られてますけどそもそも職工階級を排して事務員階級と融着する構造を目指した契機は人集めと確保なんですよ。戦前、職工階級は基本週雇いとかだったので、少しでも給料の良いところを渡り歩くなんてこともしょっちゅうだった。当然工程の遅れなんて知ったこっちゃない。それはそれでひとつの構造ではあるけど、そうなって困るのは企業サイドだよなあなどと思うと、安易に戦前への回帰やドイツ型の構造を求める動きに大変もにょるものを覚えてなりません。

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今日のはてブ(2014/10/27)

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原油価格が下落してしまったため、シェールオイル採掘の採算性が低下!3分の1のシェール田が赤字に落ちるという試算も。 - SONOTA
[シェールオイル][経済][国際][アメリカ][原油][エネルギー][資源]実際の採算ラインはもうちょい先にならないと見えてこないけど、ここら周りもう少しアクセル緩めてもよろしくはないでしょうか、などと。

(追記)もちろん従来資源としてカウント出来なかったようなものが資源となるという観点において、シェールオイル周りに関しては十分にインパクトのあるイノベーションであることは論を俟たないわけですが、現実的に採算という意味で言えば精査すべきフェイズなんじゃないかと思う次第です。
誘導品の生産について言えば、逆説的になりますけど多少コストが高かろうと最新でかつ大規模なプラントに仕立てることでコスト競争力を持たせるというやり口はアリなわけですが、それでも汎用品を生産するというのはちと厳しいでしょう。ただ、作る対象さえ間違えなければ十分にやれる可能性は大なわけで、石油化学工業というところではかなり注力しても悪くはないでしょう。
ただ、純粋な資源(ガソリンだとかそのあたり)というところで言えば、そこまで競争力があるかどうかはかなり微妙なラインでしょうね。

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今日のはてブ(2014/10/09)

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住友商事、巨額減損は防げなかったのか?企業が誤った意思決定行うメカニズムと防止策 | ビジネスジャーナル
[住友商事][シェールオイル][アメリカ][資源][企業][経営][会社][戦略]シェールへの熱狂というか、そもそもの損益ラインの読みがクソ甘くてアホみたいに高値づかみしただけじゃないの?


Chevron、カナダのシェール権益の30%をクウェート石油子会社に売却、JV運営 - 化学業界の話題
[シェールオイル][Chevron][カナダ][アメリカ][資源][会社][経営][企業]なんというか、バブルが弾けて色んな所が逃げ出しているところに日本企業が突っ込んでいって大火傷の図が浮かんでならない。

(追加)シェールオイル、日本だとシェールガスと言われることの方が多いですが、この界隈は一時期物凄い期待を持って見られていたけどある程度原油価格や資源価格が落ち着いてしまったら、結局よくある割高な新技術でしかなかったというオチになりそうですね。もちろん、大消費地に近くて政情が安定しているアメリカで無茶苦茶大規模で最新鋭のプラントを作って動かせるわけだがらそれなりの成果は出るはずなんだけど、それはシェールガスのおかげというより新規に作ったプラントの方がそりゃ当然収率だのは良くなるわけですなって話だからねえ。
無論、正常が安定しているところで多少割高でもきっちり原料が取れてそこから基礎化学品が生産できるわけで、そこに誘導品プラントを建てたいというのは人情というより当然の経営判断だけど正直相場の推移とか建設までの期間を見誤ったとしか言いようがないですね。

日本企業に関してもシェールオイル需要を見込んで色んな所が突っ込んでいってるけど、大火傷をしない程度にするか損をしない程度の動きにした方がいいんじゃないの? ってのは感じます。

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今日のはてブ(2014/10/08)

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世間じゃノーベル物理学賞の話題でもちきりですが、敢えてメジャーに楯突くそんな生き方。

皆様に重要なお知らせ(プロ野球ヌルデータ置き場)

http://lcom.sakura.ne.jp/NulData/20141007.htm
[野球][Stats][データ][プロ野球][SABR]活動休止は物凄く残念だけど、あれだけの膨大なデータを個人で処理するのはさすがにしんどいですもんね。心から敬意を表しつつ「お疲れ様でした」と申し上げたい。

(追記)いま、東京六大学野球のStatsなんてまとめてたりするのはここの影響が大です。
最初ここのサイトを知ったのは山本一郎さんの大沼ネタ(とそれに絡んでのダルビッシュネタ)が端緒で、そこから「データで楽しむ野球」って見方を学んだ次第です。従来、野球におけるデータは野村克也氏のいわゆる投手対打者の関係における配球理論だとかそういった部分ばかりが注目されていたけど、選手ひとりひとりが持つ能力とそれを裏付ける成績/データによってチーム全体の能力をどのように考えるか? というものは、物凄くアイオープナーなものでありました。
今でこそ「マネー・ボール」などで紹介されるように、こういったデータに基づいてチームを強化してペナントレースを勝ち抜くって考え方はある程度浸透してきてある種「ポスト・マネー・ボール」が必要になってきてすらいるけども、このサイトが始まった当時は言ってみれば一部の好事家たちだけで使われるデータだったと思います。
オープンな情報をもとにそれをまとめることで新たな価値を創出するというのは、昨今色々言われる「まとめサイト」には無い有益さを持っているし正直活動休止は物凄く惜しいと思うけども、個人であれだけの膨大なデータを維持管理するのは正直限界がありますよね。ぼく自身、東京六大学野球のStatsをまとめていて、あのデータ量でもしんどいと思うときがありますし。

重ねてになりますが7年もの長きにわたって本当にお疲れ様でした。心より敬意を表したいと思います。

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今日のはてブ(2014/10/06)

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週明けそうそう毎日が地獄です。


HP、個人向けPCおよびプリンティング部門を分社し「HP Inc.」を設立 - PC Watch
[HP][PC][IT][ハードウェア][分社化][プリンター][企業][経営]もともと2012年ごろだったか分社化って話はあったので、ある意味既定路線でしょうね。


HP's big split: Five reasons it's a good move | ZDNet
[PC][IT][HP][ビジネス][企業][ハードウェア][経営][x86][プリンター]HPというとハード屋のイメージが強いけどその分ソフト側は微妙だからそこに注力しないとってのはごもっとも。あとプリンタってそんな儲かってたんだ。

(追記)上でも書きましたがもともとHPのコンシューマ向けPC事業の分割って話は結構前から出ていた話でした。ですので、この話が出たときにそれほど驚きは無かったのですが、プリンタ事業がそんなに儲かっていたってのはちょっと驚きです。日本国内ではキヤノンエプソンの印象が強く、HPのプリンタというと比較的地味(それでいてインクがアホほど高い)なイメージでしたので。
利益を稼ぐという観点ではアプリ+サーバ系のソリューションに全般的にシフトしている関係上、ハード屋の色合いが強く実際アプリ関係のリソースが弱いHPとしては、コンシューマ向けPCという微妙事業を外に出してでも注力しないとどうにもならないって所だったのでしょう。ただ、いかんせん自社リソースで何かをするといっても、とてつもなく微妙な感じなので恐らくどこかのアプリ関係を買収してセットで売り出すという方向に舵を切ることになるんでしょうね。

他方、コンシューマ向けPC事業という観点で言うと「MADE IN TOKYO」を売り文句にしてきた昭島の事業所はどうするんですかね? 正直、日本国内でDELLだのショップブランドと正面から殴り合いをしてやってけるのかというとそれもまた微妙で恐らく縮小に持っていかざるを得ないんじゃなかろうかと。

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