今日のはてブ(2016/11/18~2016/11/29)(1)
ストレージに関しては、ハードディスクならWestern Digital、SSDならIntel党ですが、メーカー製PCだと色々ともにょることになりがちです。
伊達要一です。
独り歩きさせるべきではない、Backblazeのハードディスクドライブ故障率情報
HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2016年第3四半期版をBackblazeが公開 - GIGAZINE
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相変わらずSeagateがアレなのはいつものことだけど、Western Digitalもモデルによって欠陥品じゃねぇのレベルで故障しまくっているのが印象的
2016/11/29 10:33
Backblazeのハードディスクドライブ故障率調査は以前にもネタにしたことがありますが、最近になって色々と判断が難しいなと思っています。
そもそも、数十台単位で使っている製品*1の故障率は、一般ユーザの「感覚」的な情報よりは意味を持つけども、当該型番の全出荷量と比較すれば参考情報程度にしかならないような情報です。数百台単位でもその延長線上と言っていいでしょう。
さらに言えば千台単位で利用している製品についても、稼働時間やアクセス頻度といった要素で故障頻度は変わってくるわけで、これをもって「Seagateは欠陥メーカー」だとか「Western DigitalのWD60EFRXは欠陥モデル」というのも少し違うのではないかと思うところです。
また、そもそもBackblazeがサーバストレージに向かないハードディスクドライブを使っているのでは? という見解もあったりします。
この日最も突っ込んだ話が出たのは、NAS HDD担当の山本氏のプレゼン。Segate製HDDは故障しやすいと話題になってしまった真の理由や、HDDの正しい使い方など、知っているようで知らない話が語られました。
山本氏は、「HDDは用途に合わせたモデルを選ばないと壊れる」と用途に合わせてHDDを選ぶことの重要性を強調。HDDは個々の用途に合わせ設計されているため、モデルごとに特性が異なります。
例として、アメリカのデータセンターBackblazeが公開しているHDDの故障率を引用して紹介。
「調べてみたところ、Seagate製HDDの故障率が高いとされているはデータセンター向けのHDDが使用されていないためで、用途に合わせたモデルを選ばないとこうなるという一例」。「こういった用途に合っていないモデルを選択することが“間違った伝説をつくる”」といった話が語られました。
HDDメーカーが語る「HDDを壊さない使い方」、HGSTが店頭イベント実施 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!
クラウドストレージサービスということで言えば、スタートアップ/シャットダウンに伴う高い負荷を受ける回数こそ少ないものの、一方で連続稼働時間やアクセス頻度という観点においてはシビアな環境であるわけで、メーカーの立場としてはフェアな情報ではないと感じられてしまうのも致し方が無いでしょう。上述の発言があったHGST*2の製品は、故障率が比較的低い部類になるのですが、現時点で販売している同社の製品はサーバやストレージ、ワークステーション向けのものだけということがあり、そもそもイコールコンディションではないということを理解しておく必要があります。
ただ、先にも述べましたが一般ユーザの「感覚」よりは利用台数という母数も大きいわけで、傾向を見るという観点では参考になる情報であることは確かです。
そういったところを踏まえた上でこの表を見ると、相変わらずというかいつも通りというかSeagateの故障率が高めですね。特に34,744台投入しているST4000DM000に関して言えば、期間中100台に3台は故障している計算になるわけで、この数値を見る限り故障しやすいモデルと言わざるを得ないということになります。ただ、先に引用した通りこのモデルは民生用デスクトップPC向けの製品で、サーバストレージに利用することによって故障率が高めになっているという側面があるのではないか? という見方も出来なくはありません。
また、以前からもWestern Digitalの製品がSeagateほどじゃないにせよ故障率が高めに出ていて、今回も1,080台投入しているWD30EFRXが100台に2台は故障する計算になる状態です。当該製品はNASやRAID環境向けとされているモデルなので、むしろSeagateよりも問題があるように見えます。ただ、大規模なストレージ向けとしてWD RED PRO NAS HARD DRIVEという製品を出していて、本来であればこちらを使うべきなのかもしれません。
投入台数が少なめながら故障率が高いWestern DigitalのWD60EFRX*3やSeagateのST4000DX000*4に関しては正直品質不良を疑いたくなるところがありますが、いかんせん投入台数が数百台オーダーということもあって、評価が難しいところですね。自分で使うことを考えると敬遠したくはなるところですが。
個人的には手持ちのデータについて殆ど全てクラウドストレージと同期していることもあって、そこまでハードディスクドライブの信頼性についてはこだわらなくなってきているところがあります。それよりも、環境を戻すのが面倒という方が大きかったりします。
モダンな自作PCを考える際にはデータストレージを全てNASにして、PC側にはSSDのみにするというのも現実的に考えた方がいい時代になってきているのかもしれませんね。SSDのサイズであれば、ディスクイメージごとバックアップというのもそれほど非現実的な容量ではありませんし。
*1:掲載されている表で言えば東芝のDT01ACA300やMD04ABA500V、Western DigitalのWD40EFRX、HGSTのHUH728080ALE600など
*2:旧IBM、日立系のラインで生産されているが、Western Digitalの別ブランドの位置付けとなっている
*3:11.31%
*4:10.20%
今日のはてブ(2016/11/09~2016/11/17)(2)
地味にプログラミング言語のなかではC#.NETが好きだったりします。
伊達要一です。
Google stand by C#
Google、Microsoft設立のオープンソース管理団体「.NET Foundation」に中心メンバーとして参加 -INTERNET WatchGoogleからしてみたらJavaでOracleと揉めていることもあり、よりオープンな形になってきている.NETに乗り換えた方が得策って考えなのかもね。
2016/11/17 15:58
同じタイミングでMicrosoftがThe Linux FoundationのPLATINUM MEMBERになったってニュースもあったんですが、そちらが「驚きというよりサプライズ」なのに対してこちらのニュースに対してはあまり驚きが無かったりします。
GoogleとしてはAndroid向けの実装でJavaを使っていたけど、Oracleと相当揉めています。しかも裁判的にはかなり微妙な情勢だったりして場合によっては絶縁も考えないといけない情勢にあったりします。一方で比較的オープンで使えるプログラミング言語ってそんなに無いんですよね。現実的にあまり選択肢が無くて.NETに関わるという決断に至ったんだろうと思います。
なによりも、一番大きいのがITに対するスタンスですよね。ここ最近のMicrosoftとGoogleでは実のところそれほど違いは無かったりする。それこそOracleだとかAppleと比較すると殆ど同じと言っても良いかもしれない。かつてのMicrosoftを知っていて、その印象が強い人からすると唖然とするだろうけど、今のMicrosoftはそれほどまでにオープンな企業になりつつあるし、ある意味でそれを象徴するような出来事だと思います。
個人的にはOracleが好き放題やっているJavaよりも.NETの方がやりやすいと思うし、ウェルカムな話ですね。なによりC#はコーディングがラクですし。
それにしても自社独自規格というのにとことん厳しい世の中になってきましたね。
AppleはObjective-CからSwiftに舵を切ったけど、未だに独自規格の域を出ていない。OracleもJavaを丸抱えすることで今後孤立していく可能性が高くなっていく。オープンソースそのものがプロダクトになるような、OpenStackのような製品だと商売になりにくいのかもしれないけど、LinuxだとかC#のようなプログラミング言語といった製品の基盤になるようなものはオープンにしていかないと成り立たないような気がします。目先はゼニにならなくても、手を出していかないとこれから立ち行かなくなるんじゃないかと思うんですがどうなんでしょうね。
今日のはてブ(2016/11/09~2016/11/17)(1)
ちょっと前までUbuntuをゴリゴリ弄って遊んでいたのですが、最近はさっぱりです。
伊達要一です。
MicrosoftがWindowsを捨てる日
MicrosoftがThe Linux Foundationのプラチナメンバーに - PC WatchAzure上でLinuxのディストリビューションがガンガン走っているからまあ当然っちゃあ当然なんだろうね。今後どういうふうに関わっているのかが楽しみでもあり気になるところでもある。
2016/11/17 15:56
セガサミー野球部の監督をしている初芝*1が「驚きというよりサプライズ」と発言*2をして、野球好きの腹筋を破壊したことはあまりに有名なことでありますが、これも「驚きというよりサプライズ」の類であることは論を俟たないでしょう。過去のMicrosoftであれば、Windowsファミリの競合となりうるLinuxに関わるなんてとてもじゃないけどあり得ないことでした。
ただ、冷静に考えてみるとはてブでも書いたけどもMicrosoft AzureでLinuxのディストリビューションを普通にサポートしているし、Linuxのエコシステムにガッツリ食い込んでいるんですよね。Azure上でエンタープライズの仕組みを回すことを考えると、Linuxを使う方がメリットが大きいという側面もありますし。Azureで利益を稼ぐことを考えれば、Linuxとの親和性はとにかく高めていかないと辛いことになりかねないですし。
また、Windows 10 Anniversary UpdateからWindows Subsystem for Linuxという形でUbuntuのシェルをかなりのところまでネイティブに動作させることが出来るようになっています。私自身はそもそも物理マシンにWindows 10を突っ込むところで色々と頓挫している状態ではあるんですが、聞くところによるとリソースを仮想マシンよりも食わない状態で相当のところまで使えるそうで。特にWindowsとあまり相性の良くないPython開発者なんかには非常に良い仕組みだそうです。
さらに言えば今のMicrosoftからしてみればWindows自体も多くのOSのワンノブゼムと認識しているっぽいフシがあります。PCを使い始めてからWindowsをずっと触ってきた身からすれば寂しい話だけども、先のことを考えれば莫大な利用者を抱えるとはいえ、サポートやメンテナンスをしていくことを自社だけで抱えるのはリスクというのはあるんでしょうね。となれば、Linuxに関わっていく中で場合によっては今後のWindowsをLinuxベースのディストリビューションにスイッチするというのもあり得るのかもしれません。
一番それを脅威に感じているのはAppleでしょうね。Mac OS Xを巡るgdgdっぷりやMacbookファミリのアレな瞑想っぷりを見ていると、POSIX互換機というメリットが小さくなるであろう、Microsoft Linuxなんてのが出てくることは悪夢でしかないでしょう。
一方で、Linuxに対してどのように振る舞うか? という観点で見ると色々と気になるところがあります。先々IoTが広く使われるようになったときに、Linuxをベースにエコシステムを構築するなかで、Microsoftが関わりたいという思惑があるのではないか? ということは容易に想像がつくし、そこでどんな振る舞いをするのかは未知数ではあります。そこでEvilな振る舞いをしてくる可能性は否定できないわけで、今後の動きはしっかりと見ていく必要があるでしょうね。
余談だけど、The Linux FoundationのCorporate Membersを見ていくと結構面白いですね。
Microsoftと同じPLATINUM MEMBERSには、CISCOやHewlett Packard Enterprise、IBM、intel、Oracleといった有名どころがいるなかに、富士通やNECといった日系企業が居たり、華為(ファーウェイ)やサムスンなんかも加わっていたりします。GoogleやAppleはというと、GoogleはGOLD MEMBERSでAppleはメンバーにすら加わっていなかったりする。
このあたりでこういったオープンな技術に対するスタンスが見えてきますね。Appleは利用者がどのように使うかはさておき、会社としてはオープンソースの世界には極力関わる気は無いんでしょう。このあたりの考え方が吉と出るか凶と出るかはまだわからないですが、会社のカルチャーが変容しつつある一つの証拠と見ることは出来るでしょうね。
今日のはてブ(2016/11/08)
色々な意味でロクなニュースが無くて気分的に陰々滅々としているときに、頭のネジが吹っ飛んでいるページを眺めると多少は気楽になれる、そんな瞬間が好きです。
伊達要一です。
評論・情報系同人誌、メカミリ交通系同人誌、旅行系同人誌という深い沼
情報系同人誌即売会に行けば面白い本が必ず見つかる - デイリーポータルZ:@nifty
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コミケで評論・情報系サークルやメカミリ交通を中心に徘徊していた身としては面白そうなイベント。もっと早く知りたかった。
2016/11/08 18:45
コミケで評論・情報系やメカミリ交通系同人誌にウン万円もカネを突っ込んでいた私が通りますよorz
いや、コレ自体は無駄遣いだとは死んでも思わないけど冷静に考えればちと異常だし自慢にならんわと思う今日この頃ではあります。ちなみに東方アレンジCDに関して言えば、たぶんそれよりもっと突っ込んでいた気がする。
一時期、いわゆる面妖本*1の類を買うわけでも無いのにコミックマーケットに行っていたのは、これらのジャンル目当てでした。。冷静にいつ頃だったか考えて、かれこれ20年近く前だということに愕然としますが、まあ結構昔ですね。
あの当時、評論・情報系ジャンルやメカミリ交通系の同人誌はそれほど大掛かりにオンリーイベント*2が行われることも無くて、せいぜい交通系で今は亡き東京のりもの学会があったくらいでしょうか。私自身、当時はあんまりアンテナが高くなかったこともあり小規模のイベントや地方イベント*3なんかではあったかもしれませんが。
ともかく当時、東京に住んでいたヌルいオタクにはコミックマーケットくらいしかこういった類の同人誌を買い求める機会はありませんでした。
もう本当に色んな同人誌がありましたね。
評論・情報系で言うと全国の地方紙を収集して紹介する同人誌を出されている横浜新聞研究所さんの頒布されている本はよく買ってました。これを書くときにまだ活動されていることを知って驚きましたね。他にも郵便現業の裏話をまとめた同人誌とか、現役オタク官僚の書いた霞が関の裏側をまとめた同人誌とか、薬局関係者が書いた薬に関する同人誌とか。そうそう、鍼灸に関する同人誌もよく買ってました。
メカミリ交通系ジャンルは評論・情報系のカオスさと比較するとまだ大人しいもので、あまり専門誌で特集されないような国の装備を書いたような同人誌だとか、都営バスの情報だけをまとめた同人誌だとか。こちらは専門誌と競合しているものもあったりして無茶苦茶な量を買っては無いのですが、バス関係はチョコチョコ買ってましたね。
これ以上書いていくとキリが無いのでこのくらいにしますが、世間一般では想像もつかないような変わった同人誌が山のようにありました。
この手の同人誌を扱うオンリーイベントが、イベントとして成立するのは大変うれしいことです。今後も続いていって欲しいところですね。
それにしても、デイリーポータルZってよくもまあこんなにネタを拾ってくるものですね。
あそこは真剣にバカなことをやるサイトで、毎日は見ないけど気分が落ち込んだり嫌なことがあったときに眺めて「バカなことやってるなぁ」と笑って多少マシな気分にするのに役立ててます。
位置づけとしてはニフティのPRに近いところにあるんだろうけども、今後ともこういう変わったネタで楽しませて欲しいです。
今日のはてブ(2016/11/05~2016/11/07)(6)
オープンソースの世界は非常に楽しいし興味もあるのですが、仕事ではなかなかタッチ出来ない今日この頃です。
伊達要一です。
商売にならない? オープンソースソフトウェア
【Infostand海外ITトピックス】OpenStackは“金のならない木”か? 「Summit」とベンダーの人員削減 - クラウド Watch技術や実現出来ること自体は非常に便利なんだけど、ベンダーがマネタイズし難いことが障壁になってますね。
2016/11/07 11:09
この記事を読んで一番驚いたのが、HP EnterpriseのOpenStack部門の縮小です。
つい数年前にはOpenStackに積極的にコミットしていることをPRしていたHPがこういった動きに出るということは、よほど商売にならなかったのかと驚く次第です。
HPの場合はPC/プリンタ事業の分離もあったけども、エンタープライズ領域という観点ではサーバや構築、運営サポートも含めたところである程度マネタイズしやすい体制にはあった筈なのですが。確かに性質上、導入するところはある程度OpenStackを知っているところが殆どで、ベンダーが介在し難いから商売にならないというのはあるかもしれません。全く知らなければ名前の通ったVMWareとかそのあたりを採用するでしょうし。
オープンソース界隈全般に関して言えば、直接何らかのプロジェクトに関わっているわけじゃないけどもそれなりに興味を持って追っかけているのですが、全般的なイメージとして「趣味性」という観点と切り離せないように感じています。
比較的商業的に回っている部類のLinuxなんかもそうだけど、もともとプロプライエタリなソフトウェアに対して自由に使えるソフトウェアが欲しいという趣味的感性があってスタートしている感がある。
当然というと語弊があるけど、商業的には難しいわけです。
Linuxなんかは相対的に商業的領域との親和性が高い*1こともあって、上述したように比較的回っている状況だけど、OpenStackのように同様の介在が出来そうなものも手を引く傾向にあるのは否めないわけで。
ごくごく個人的なことを言わせてもらえば、ソフトウェアのオープンソース化というのは今後進めざるを得ないと思っています。ベンダーが自社だけで作り込むスピード感では、世の中のスピード感に追いつくことは出来ないし、確実に趣味性の高いシステム屋が寄ってたかって作り上げるオープンソースソフトウェアに勝てない。
ある意味Mac OS XやWindows10のパッチがボロボロになっているのが分かりやすい話で、オープンソースのスピード感に合わせて自社だけでラピッドリリースをしようとしてボロボロになっている。
一方でベンダーサイドとしてはその変化に対応しないと食べていけないわけです。
目先だけで言えばHP Enterpriseの動きは商業的には正しいのかもしれないけど、将来的に結局OpenStackが残りましたってことになった場合、HPが出来ることはハードを提供するだけという無茶苦茶退屈な仕事しか残っていない。当然飯の種に事欠くことになる。
「ことづくり」ということを重視するならば、多少目先では損でも深くコミットしていかないと先々厳しいと思うんですが、どうなんでしょうね。
*1:OSというレイヤだけの話なので、マシンなどはベンダーから調達する必要があるし、構築や運営のところはベンダーが介在する余地がある