伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/11/05~2016/11/07)(6)

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オープンソースの世界は非常に楽しいし興味もあるのですが、仕事ではなかなかタッチ出来ない今日この頃です。
伊達要一です。

商売にならない? オープンソースソフトウェア

【Infostand海外ITトピックス】OpenStackは“金のならない木”か? 「Summit」とベンダーの人員削減 - クラウド Watch

技術や実現出来ること自体は非常に便利なんだけど、ベンダーがマネタイズし難いことが障壁になってますね。

2016/11/07 11:09

この記事を読んで一番驚いたのが、HP EnterpriseのOpenStack部門の縮小です。
つい数年前にはOpenStackに積極的にコミットしていることをPRしていたHPがこういった動きに出るということは、よほど商売にならなかったのかと驚く次第です。
HPの場合はPC/プリンタ事業の分離もあったけども、エンタープライズ領域という観点ではサーバや構築、運営サポートも含めたところである程度マネタイズしやすい体制にはあった筈なのですが。確かに性質上、導入するところはある程度OpenStackを知っているところが殆どで、ベンダーが介在し難いから商売にならないというのはあるかもしれません。全く知らなければ名前の通ったVMWareとかそのあたりを採用するでしょうし。

オープンソース界隈全般に関して言えば、直接何らかのプロジェクトに関わっているわけじゃないけどもそれなりに興味を持って追っかけているのですが、全般的なイメージとして「趣味性」という観点と切り離せないように感じています。
比較的商業的に回っている部類のLinuxなんかもそうだけど、もともとプロプライエタリなソフトウェアに対して自由に使えるソフトウェアが欲しいという趣味的感性があってスタートしている感がある。
当然というと語弊があるけど、商業的には難しいわけです。
Linuxなんかは相対的に商業的領域との親和性が高い*1こともあって、上述したように比較的回っている状況だけど、OpenStackのように同様の介在が出来そうなものも手を引く傾向にあるのは否めないわけで。

ごくごく個人的なことを言わせてもらえば、ソフトウェアのオープンソース化というのは今後進めざるを得ないと思っています。ベンダーが自社だけで作り込むスピード感では、世の中のスピード感に追いつくことは出来ないし、確実に趣味性の高いシステム屋が寄ってたかって作り上げるオープンソースソフトウェアに勝てない。
ある意味Mac OS XやWindows10のパッチがボロボロになっているのが分かりやすい話で、オープンソースのスピード感に合わせて自社だけでラピッドリリースをしようとしてボロボロになっている。

一方でベンダーサイドとしてはその変化に対応しないと食べていけないわけです。
目先だけで言えばHP Enterpriseの動きは商業的には正しいのかもしれないけど、将来的に結局OpenStackが残りましたってことになった場合、HPが出来ることはハードを提供するだけという無茶苦茶退屈な仕事しか残っていない。当然飯の種に事欠くことになる。

「ことづくり」ということを重視するならば、多少目先では損でも深くコミットしていかないと先々厳しいと思うんですが、どうなんでしょうね。

*1:OSというレイヤだけの話なので、マシンなどはベンダーから調達する必要があるし、構築や運営のところはベンダーが介在する余地がある