伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/10/22~2016/10/28)(2)

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1テーマ1記事で更新する実験…… であります。
下記記事の続きです。

yohichidate.hatenablog.com

出版業から出版サポート業への転換

Amazon.co.jpで誰もが無料で紙の書籍を出版できる「著者向けPOD出版サービス」、インプレスR&Dが開始、5000円でISBN発番も可能 -INTERNET Watch

査読や校正などの編集作業が無いのがネックだけど、明らかに少部数になるような論文なんか物凄く向いているような気がする。

2016/10/26 16:24

ちょうど手元にある大学向けの教科書が300ページ弱で大体税込3,000円強です。
まあ具体的には以下の本なんですが。

インプレスの販売手数料とか抜きにして単純計算しても1,000円弱なんですよね。諸々のサービス(表紙だのISBNコード付番だの)を込みにしても学術書専門の出版社から出すより多少安く、印税も取れる。おまけにオンデマンドだったら品切れにもならない。果たせるかなアフィリンクを貼るのにAmazonを見たらちょうど品切れでした。こういうことが無くなるのは読者側からも著者側からも非常にメリットが大きい。

従来学術書関係って専門の少部数にも対応しているような出版社がやってきてたわけですが、今後そことガッツリ競合していきそうです。もちろん、事前の査読や編集、校正校閲といったプロセスを省いて出版することは現実的には不可能なんですけど、従来そういうプロセスをやってきたような出版社がそのところを丸抱えするサービスとして動けば現実的に回りそうな印象を覚えます。むしろそっちの方が商売としては稼げそうではある。

一方で、出版社のうち取次に本を出しまくって資金繰りをしているようなところがあるのでタマの食い合いになるのは辛いところですが、そもそも学術書関係は大量に取次に流して資金繰りをするほど数が出ないのであんまり関係無さそうですね。むしろそういった出版サポートに業態を変えていった方が将来的には見込みがあるのではないかと思います。

一方でAmazonがどれだけこのサービスを継続するか、サービスに基づく契約の不利変更をいきなりやってこないかどうかってのが非常に怖いところです。
記憶に新しいところでKindle Unlimitedの対象出版物を予算が尽きたから対象からいきなり取り下げましたみたいなゴタゴタがあったわけですね。あれは結局電子書籍という意味ではコンテンツホルダーに対して力関係的には比較的強い状態にある*1わけで、ある意味殿様商売が出来てしまうわけで。ある程度ヘゲモニーを握ったところで不利変更をやるようなマネをしないかどうかは注視が必要かと思う次第です。

*1:といっても幸か不幸か日本では同種のサービスが乱立してたり、コンテンツホルダー側がサービスをやっていたりする関係もあってまだマシとは言えなくもない