伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

空洞化のウソ(松島大輔/講談社現代新書)

現在タイ政府政策顧問として出向中の経産官僚の著者による、中小企業の海外進出をプロパガンダする一冊。正直、あまり評価できるものではない。 まず、第一に、なんでこの分野の先行研究である関満博の本が入ってないの? この時点で色々と胡散臭さが漂う。…

現場主義の人材育成法(関満博/ちくま新書)

先日「必読」とまで言い切った「現場主義の知的生産法」(ちなみにこのタイトルは誤解をまねくイマイチなタイトルだと思う)の著者が送る「人材育成」についての一冊だ。ただ、ベタ褒めだった前作と比較すると不満が大きい。著者自身が認めているように「発…

歴代首相の経済政策全データ増補版(草野厚/角川oneテーマ21)

慶應義塾大学総合政策学部で政治学、日本外交論、政策過程論を専門とする著者による、戦後の首相の経済政策を中心とした政策概要を纏めた一冊。新書本らしい企画ながら、各内閣における所信表明演説はじめ、施政方針演説、財政演説、経済演説からもひいて紹…

現場主義の知的生産法(関満博/ちくま新書)

ぼく自身の話になるけど、コンサルタントというものが大嫌いなのだ。この大嫌いにはツンデレ的成分が多分に含まれているような気もするのだが、どうにも性に合わない。というのも、コンサルタントと称する連中の成果物が基本的に糞だからだ。「お前の身の回…

どくとるマンボウ航海記(北杜夫/新潮文庫)

この本を最初に読んだのは忘れもしないいつだったか。確か中学一年の読書感想文だったように記憶している。 当時、読書感想文の本を買うのが面倒で実家に転がっていた本書を読んだのがきっかけであった。その当時は読みやすい本だと流し読みをしてチョチョイ…

鉄道地図は謎だらけ(所澤秀樹/光文社新書)

鉄道地図にまつわる雑学を集めた本。特に路線名称だとか会社境界などの細々した話は興味深かった。本書のような鉄道雑学ものは、それ単体では鉄道マニアの知識の羅列になりがち(本書も残念ながらそのそしりを免れない)ではあるが、そういった細々した知識…

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか(町山智浩・文春文庫)

書評とかエラソーにやっててこんなことをいうのもあれだけども、いつもぼく自身は自分の無知と浅学さにビクビクしながら生きている(それ故に無知を無知とも思わない連中を心の底から軽蔑してるのだが、これはまた別の話)。いや、ホント実際の所、マジで物…

日本の経済格差(橘木俊詔/岩波新書)

日本の経済格差を所得と資産の観点から統計分析し、政策提言をロールズの「公正原理」における「マクシミン原理」に基づき論じた一冊。 曰く「格差社会」について色々と語られる機会は多い。やれ、新自由主義的な経済がどうこうだとか、いや労働組合が既得権…

「事務ミス」をナメるな!(中田亨/光文社新書)

産業技術総合研究所でヒューマンエラー防止の研究を行っている著者による、事務ミスの分析と対策を述べた一冊。 一昔前、製造業というのは3K(キツイ・キタナイ・キケン)職場の典型と嫌われた時代があった。確かにそういったころの製造業は言われても仕方…

「エコタウン」が地域ブランドになる時代(関満博編/新評論)

「人の姿が見える地域」による循環型・持続可能型まちづくりについての報告と提言をまとめた一冊。 ぼく自身、「エコ」という言葉が大嫌いで物凄く胡散臭く考えている一人である。エコをうたい文句にしたペットボトル回収だとか発泡スチロールトレー回収だと…

ドラえもんの鉄がく(国際ドラえもん学会編/にっかん書房)

ドラえもんのもつ世界の広がりというのは、考えてみると色々そら恐ろしくなるほどだったりする。例えばロボット技術という観点では鉄腕アトムと並んで一つの目標になっていたりするわけだ。 また作品世界もスゴイ。ちょっと斜に構えたモノの見方で言えば、宇…