伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2014/10/16)

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これが本当の後付更新詐欺ですなorz


すき家NFです。メニューの作り方を教えて下さい。昨日からメニューを作... - Yahoo!知恵袋
[研修][労働][Yahoo!知恵袋][すき家][オペレーション][オペレーション崩壊][ビジネス][企業]これ、2011年の質問なんですが、OJTが機能せずオペレーションが崩壊しつつある良い傍証ですね

(追記)これ、たまたまはてなブックマークで見かけたんですが、よくぞこれを拾ったと感心しました。まさにすき家で発生したオペレーション崩壊の一例として非常に優れたものだと思います。
(例えネタだったとしても、それに対する回答2つがオペレーション崩壊の過程で発生するおぞましい光景をありありと活写している)

将来にわたって無期限に事業を継続することを前提とする企業ないしは組織における要素として個人的には以下の3つが全てだと思っています。

  • プロセスとしてのオペレーション
  • 継続のための前提を記録・管理・制御するためのアカウンティング

今回のすき家のケースはオペレーションの中における「人的資源管理」の不全がオペレーションを蝕み続け、最終的に崩壊に繋がったということなんだろうと思っています。じゃあ、何故「人的資源管理」の不全が発生したか? ってところに関しては色々な要因があると思っています。一例としてアカウンティングの観点で不健全な指標管理をしていたって指摘もありますが、それもあったとしても単一の原因ではないでしょうね。

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今日のはてブ(2014/10/03)

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さすがにやることやらずに遊ぶのは許早苗なので、マジメにやります。


Office for iPadが日本でも年内から利用できるよ : ギズモード・ジャパン
[Office][iPad][Apple][Microsoft][iOS][タブレット][ソフトウェア][オフィス][Office365]恐らく、ビューア的な使い方については殆どPCレスな形態が実現することになるでしょうね。あと、こいつを使うためにOffice365を契約する価値があると思います。リリースがホント楽しみ
(追記)何か資料だとか成果物を作成する立場であればたしかにタブレットという形態は不便ですが、既に出来上がった資料を見せるとかそういう使い方であれば極論PCが必要ないということになりますね。
使い方次第だとは思いますが、内勤する日は共有の端末からシンクライアント環境に接続して資料を作成してオンラインストレージに放り込む、外回りのときはiPadでネットワークから資料を引っ張ってきて見せて、日報を書いて投げる。そんなシーンは容易に想像できます。

ただまあ、アウトプットが中心となる職種で言えば、結局この手のデバイスはビューア的な運用になってしまいがちなところもあって、PCとは縁が切りにくいところがあるのが難しいですね。

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今日のはてブ(2014/09/25)

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チェックしているニュースが結構多くて溜まっている状態です。
土日あたりにまとめて掲載するため、2回分更新しないと厳しいかもしれないですね。


スマートフォンの次なるステージが見えたIFA 2014 - ケータイ Watch
[Android][iPhone][iPad][Apple][スマートフォン][レポート][イベント][IFA2014][キャズム][タブレット]全般的に、5.5~6inchクラスの移動体端末と10inchクラスのホームユース端末って形態に収斂しそう。


Googleの新興国向け格安スマホがもたらすもの(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
[スマートフォン][IT][Android][Google][Android One][インド][中国]電話+移動体端末として最低限必要な機能を絞り込むと、最終的には便利ならくらくホンになりそうですよね。

(追記)前に小型のタブレットスマートフォンの収斂が云々という記事を書きました。

ドイツで開催されているIFA2014のレポートを見るに実際にその流れは確実に進んでいますね。良くも悪くも「電話」という通信手段よりもリッチな通信手段に切り替わってきている以上、この流れはどうしようもないでしょう。現実的な可搬性との観点で5.5inch~6inchというサイズで収斂して、そこから価格競争だけの世界になるのかな? と予想します。
スマートフォンにせよタブレットにせよ、とうの昔にキャズムは超えており実際のところこのままでは衰退期に入ることすらある状況です。現実的には新興国への格安端末展開ってところに戦場が移りつつ、徐々に端末価格が上がっていき先進国レベルの端末機能になっていくという流れなんでしょう。

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イギリス帝国の歴史(秋田茂/中公新書)


ヴィクトリア朝ロンドンと言えばイギリスの「黄金時代」である。この呼び方は知らなくてもシャーロック・ホームズの活躍した時代と言えばピンと来るかもしれない。TRPG好きでいえば、クトゥルフ神話TRPGでもこの時代をテーマにした「クトゥルフ・バイ・ガスライト」というサプリメントがあって、多少なりともこの時代の「空気」というものを体験することが出来る。他にも色々とあるが、キリが無いのでこの辺にしておこう。
これらの時代はイギリスという国家が世界的に覇権を握った頃と一致する。まあ、当たり前の話だがいつの時代も繁栄というものはカネか権力(もしくは両方)を握った者が手にする「配当」だ。そんなイギリスという国家の繁栄はいったいどういったものから得られたのだろうか?
教科書的な解答としては、植民地を背景にしつつ産業革命によって「世界の工場」となり世界帝国として覇権を握ることとなった、というものだが、それだけではちょっとつまらない。つまらないという表現はあまり適切ではないかもしれないが、それだけで奥深い「覇権」の世界を知った気になったのではちょっと勿体ないと思う。本書はそんな基礎知識をさらに補強してくれる一冊だ。
イギリス帝国が覇権を握るまで、そしてその覇権のもと繁栄をし、第二次世界大戦後のスエズ動乱を経て覇権を失うまでを、ある程度の基礎知識を持っていれば大変に読みやすくまとめた良書だ。高校生あたりで歴史と言うものに興味を持ったのであれば、受験勉強の合間に読んでみてもいいだろう。

空洞化のウソ(松島大輔/講談社現代新書)


現在タイ政府政策顧問として出向中の経産官僚の著者による、中小企業の海外進出をプロパガンダする一冊。正直、あまり評価できるものではない。
まず、第一に、なんでこの分野の先行研究である関満博の本が入ってないの? この時点で色々と胡散臭さが漂う。著者が東南アジアを中心とする「新興アジア」を中心に語りたいので、中国についての文献は要らないというのはご勝手だけども、先行研究をよくよく調査しないで物を語るというのはどうにも評価できない。そこらへんのうかつさは本書には随所に見られる。例えば、「新興アジア」への進出によって雇用が増えるというような話を書いているけども、関満博の「東日本大震災と地域産業復興II」(新評論)によれば、中国や東南アジアへの転注によって人員をピークよりも減らしているという現場からの証言がしっかり載っている。著者も根拠レスに語っているわけではないので「大嘘」とまでは言わないが、一面的にすぎるのは否定できない。
では、現場からのヒアリングに基づくものかといえばそうでもない。正直こちらもお粗末極まりない。ぼくレベルですら、資料を引っ張ってきてひっくり返せてしまうような話に終始してて、こちらもお話にならない。残念ながら「本代と時間を返せ!」と壁に投げつけるレベルと言わざるを得ない。
一方で、著者が述べるような海外展開というのは間違いなく必要なことだ。それは否定しようが無い事実だとぼく自身も思う。ただ、物の見方があまりに楽観的で無責任に過ぎる。経済産業省の立場、タイ政府政策顧問の立場で「新興アジア」への進出を旗振りしたいのはわかる。そしてその重要性もだ。ただ、現実に経済産業省JETROといった外郭団体がまともに役立ったと言う話は、残念ながらあまり耳にしない。現状はかつての「棄民」政策よろしく当局が何一つ日本企業をバックアップしない状態が続いている。そして、うまくいった事例を振りかざしてこんな本を書かれると正直とさかに来ることおびただしい。
経済産業省がその前身の通商産業省時代も含めて「一発屋政策官庁」と揶揄されて久しいが、残念ながらその一発屋ぶり、無責任ぶりが浮き彫りになる一冊。今のご時世、東南アジアへの投資も通りやすいだろう。この本で得られる知識もそれほど必要とは思えない。とても残念な一冊だ。