今日のはてブ(2017/04/17)
ここのところひと月に1本くらいのペースにまで更新頻度が落ちてしまっている今日のはてブなんですが、久々に書きたいと思います。あと、積残案件としては昨年撮った城南島海浜公園での写真ですね。使えるカットは幾つかあったのでいい加減現像して公開したいところですが。というかまだ写真にも焼いていないのは流石に拙いですわな。
顧客が本当に必要だったもの――デジタルカメラ編
カメラや写真の話題となると、どうしてもハイアマチュアやマニアの声が大きくなる傾向があって気をつけないといけないですね。私自身も半分マニアに足を突っ込んでいる自覚はあるので、フラットに見ないといけないと思っています。
デジカメ市場、ピークの5分の1 決断迫られるカメラ各社 :日本経済新聞
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適切な程度のコンパクト機種をロクに出さずに只々一眼レフやミラーレスの微妙に高いラインばかりを出し続けた結果がこれなだけかと。
2017/04/17 19:58
そもそも写真を何故撮るのか? というところから考える必要があると思っています。物好きならば「撮る為に撮っている」という答えになるでしょうし、それを否定するつもりも全くないわけですが、他方大多数の撮影者にとってみれば(その軽重はあれど)何かしらの必要に迫られて撮ることになるわけです。必要性と言っても色々あるわけです。仕事上どうしても撮影をしなければならない――例えば建設現場での記録だとか、工場での設備保全の記録なんてものは、誰がどう見ても必要だとわかるわけですが、もっと軽い必要性だってあるわけなんですね。
例えば物好きであっても「イラン航空*1の
大多数の撮影者にとっての「必要性」は上に掲げたようなカジュアルなものが殆どなわけです。「旅行の記念」に撮るようなスナップ写真は基本的には極めて光量が多い環境下なため極端に明るいレンズではなくてもいいし、極力画角を広く取った方が便利だから広角レンズまでは必要無いわけです。そういった撮影シーンで求められるのはまさにスマートフォンのカメラ機能で大概が賄えてしまうことになります。「子どもの運動会を記録する」という用途に関して言うならば、流石にスマートフォンで済ませるのが難しい面もあり、エントリークラスの一眼レフカメラが使われることが多いんですが、これも結局「その時」しか使われることが無くて、たいていの場合はスマートフォンで済んでしまうわけです。
かつてカメラ(とフィルム)が大量に消費されてきたのはまさにそういったカジュアルな撮影シーンを賄う軽量かつ手軽なデバイスが存在しなかっただけの話であって、そりゃあカメラではなくスマートフォンに乗り換える人が多数になるのもむべなるかなというわけですね。
一方、カメラ屋はこの動きに対して何をしてきたかといえば、カジュアルな用途のコンパクトカメラはオモチャのようなものしか出してこず*3、一部の高級機が多少一矢報いるといった状態で、主戦場はレンズ交換式のカメラです。手軽さという観点では差異はあるけども、全体の色々な「重たさ」(重量的にも金額的にも)という面では同じようなものです。
本来、カジュアルな用途に向いたカメラというのは、上で述べたようにまず「広角がきっちり撮れる」ということが大前提になるわけですね。その次にズームが充実していればなお良いということになる。レンズが明るければなお良いけど、カジュアルな用途だけで言えば二の次、三の次になってきます。本来、裾野を広げるという意味ではそういったカジュアルなカメラを出して地道な商売をすべきだったんだけども、価格競争やらもあって結局高級機ばかりに軸足を置くことになって、多くの顧客にそっぽを向かれることになってしまったわけです。
売れ行き云々はさておくとして、カシオ計算機のEX-100Fみたいに巧いラインを狙ってきているものもある*4けども、正直カメラ屋も販売店も利益が取りにくいからあまり前の方に出てこないわけです。大概レンズ交換式カメラを商売の中心に据えてしまっている。そりゃあ、市場はしぼみますよね。限られたユーザーに向けたアイテムを大多数に対して売ったところで使い切れないし、そのうち使わなくなって、次に買い換えてもらうことが困難になる。それならば、ある程度割り切ったデザインの製品からのステップアップを目指すべきだったのですが。
比較的写真を撮ることを好む身からすれば非常に残念な話だけども、ある種自業自得ですよね。カメラ屋にしても販売店にしても共倒れしていく未来しか見えない。