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伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

本日の更新(2017/03/08)


昨晩は25時前にエチゾラム*1ゾルピデム*2エバミールを飲んで床につくもすぐに眠れずに猛烈な頭痛までしてくる始末。どうにかこうにか26時*3過ぎに入眠した模様。睡眠傾向をロギングしているんですが、それを見るとかなりぐっすり眠っていたようですね。
起床は寝た時間からすれば、まあ妥当な7時起床。眠気はかなり残っているも疲労感は無くて多少マシな気分ではあります。



お役所マニア的に規則の類を調べて読むのは結構好きなわけですが*4そんな私に取ってずっと気になっているのが「現代で徴兵をやっても検査で引っかかるヤツが続出するんじゃないの。特に視力」というもの。当時の法令集なんて調べるのが面倒だしなぁとずっと棚上げだったんですが、Wikipedia経由で根拠となる陸軍省令「陸軍身体検査規則」(昭和3年陸軍省令第9号)に気付いて調べていくと、ミリヲタの殿堂国立公文書館アジア歴史資料センターにありそうということに行き当たることに。
……ってか、なんで気付かなかったんでしょうね。

で、一応当時の現行兵事法令集なるものがヒット。昭和19年3月陸軍省令第16号まで反映された内容なのでかなり末期の改正*5なのでいわゆる「平時」の基準ではないですが参考になりそうではあります。



まずは徴兵検査に見事?合格となる「甲種」から。

第六条
 左の各号の一つに該当する者はこれを甲種と為すことを得ず
一 身長1.52メートル未満の者
二 胸囲身長の半に達せざる者
三 筋骨薄弱なる者
四 各眼の裸眼視力(以下単にこれを視力と称す)「0.6」に満ちざる者(屈折機異常を有し各眼の視力「0.3」異常にして、かつ各眼の矯正視力「0.8」以上の者を除く)
五 特記すべき疾病その他身体または精神の異常を有する者


(陸軍身体検査規則(陸軍省令第9号 昭和3年3月26日)の字体、送り仮名、単位表記及びカナ文を改め、横書きに合わせて適宜算用数字に置き換えた)

マニアとか言っておきながら「項」と「号」を間違えているあたり程度がアレ過ぎて泣けてきます。



それはさておき引用末尾にある通り省令の本文ですね。焦点*6となる視力ですが、

  • 裸眼の場合各眼視力0.6以上
  • 矯正視力の場合、裸眼で各眼視力0.3以上で、かつ矯正視力で各眼0.8以上

ではないと見事甲種合格からの入営/入団、万歳三唱とはならないわけです。省令が制定された当時の昭和3年は平時で甲種でも定員オーバーで即日帰郷となるケースがあったそうで*7当時から言えば徴兵から外れる可能性が極めて高かったと言わざるを得ません。



私の場合視力だけで言えばかなりグレーゾーンだったりします。両眼であればかなり楽勝だったりするんですが、右眼がかなりギリギリなんですよね*8
で、省令の本文だけだと甲種に関する規定しか無いんですが、その他については「付録」*9に記載があります。

付録第二
18 近視、近視性乱視
 第一乙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の矯正視力「0.8」以上のもの
 第二乙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の矯正視力「0.5」以上のもの
 第三乙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の矯正視力「0.3」以上のもの
 丙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の矯正視力良き方の眼にて「0.3」以上のもの
 丁種
  近視または近視性乱視を有し各眼の矯正視力「0.3」に満ちざるもの


(陸軍身体検査規則(陸軍省令第9号 昭和3年3月26日)の字体、送り仮名、単位表記及びカナ文を改め、横書きに合わせて適宜算用数字に置き換えた)

というわけで視力に関する規定はかなり厳しいです。



個人的にこの資料を読んでどっちが正なのか悩ましいのですが、付録第三には以下のような記述があります。

付録第三
18*10
 乙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の視力0.3以上にして、2「ヂオプトリー」以下の球面鏡による各眼の矯正視力「0.8」以上のもの
 丙種
  近視または近視性乱視を有し各眼の視力0.3に満ちざるもの、および各眼の視力0.6に満ちず、かつ2「ヂオプトリー」以下の球面鏡による各眼の矯正視力が「0.8」に満ちざるもの


(陸軍身体検査規則(陸軍省令第9号 昭和3年3月26日)の字体、送り仮名、単位表記及びカナ文を改め、横書きに合わせて適宜算用数字に置き換えた)

この記述だけを見ると前掲付録第二よりも厳しいように見えます。付録第二の方は裸眼視力について暗黙のうちに各眼0.3以上ということを含んでいるだけなのかもしれませんが、どちらを正とするかは悩ましいところですね。ご存じの方ご教示頂ければと思います。



身長については上述したとおり1.52メートル未満というもので、現代でこれに引っかかるのはそうそう無いはずです。とは言うものの、背の低い人でパッと思いついたナインティナイン岡村隆史氏は1.56メートルらしく、体格がかなり小柄な部類のひとはこれも簡単に引っかかってしまう可能性がありそうです。



そしてもう一個現代的には引っかかりそうなネタが「デブ」です。まあ、私がそうなので気になったわけですが。
流石に引用も面倒になってきたのですが続けます。

付録第二
3 脂肪過多
 第一乙種
  (空白)
 第二乙種
  (空白)
 第三乙種
  (空白)
 丙種
  脂肪過多にして動作に妨げあるもの
 丁種
  脂肪過多にして内臓の機能障碍を伴うもの


付録第三
3*11
 乙種
  脂肪過多にして動作に妨げなきもの
 丙種
  脂肪過多にして動作に妨げあるもの


(陸軍身体検査規則(陸軍省令第9号 昭和3年3月26日)の字体、送り仮名、単位表記及びカナ文を改め、横書きに合わせて適宜算用数字に置き換えた)



なんでしょう。この見事なまでにデブは甲種合格させないという強固な文言に、往年の千葉ロッテにおける「デブは二倍」の雰囲気を感じてなりません。いや、冗談を言っている場合ではないんですが。
当時でこそ栄養過多による極度な肥満はかなり珍しく特殊な例だったかと思うわけですが、ぶっちゃけた話、私の場合糖尿病に罹患して100kg以上ある現在はもとより二十歳当時も脂肪過多と判定されてもおかしくないと思えてしまうあたり、色々と物悲しい気分に陥ります。



ある種のオチとして、じゃあ自衛隊では? ということになるんですが、当然規定があるわけです。

別表第1(第4条*12、第7条*13関係) 男性自衛官等合格基準
 1 身長
  155cm以上
 2 胸囲
  附表第1による
 3 体重
  附表第2による
 4 肺活量
  3,000cc以上
 5 視力
  両側とも裸眼視力が0.6以上、裸眼視力が0.1以上で矯正視力が0.8以上又は裸眼視力が0.1未満であつて矯正視力がプラスマイナス0.8ジオプトリーを超えない範囲の屈折度のレンズによつて0.8以上であるもの
 6 色覚
  色盲又は強度の色弱でないもの
 7 聴力
  (1) 秒時計法で両側とも1m以上の距離で聞きわけるもの
  (2) 聴力計法で1000Hz、4000Hzにおいて、それぞれ一側が30dB以下、他側が50dB以下で聞きわけるもの
 8 疾患
  附表第3に掲げる不合格疾患のいずれをも有しないもの
 総合
  自衛官としての隊務を支障なく遂行しうる体力を有すると認められるもの
備考 聴力検査は、秒時計法又は聴力計法のいずれか一方を行うものとする。

自衛官等の採用のための身体検査に関する訓令(防衛庁訓令第14号 昭和29年9月13日)

視力に関しては戦前よりもかなり緩くなっています。基本的に矯正視力で0.8ならば、まあなんとか大部分がオーケーということになりそうです。ただまあ、そんな眼の悪い兵隊が居ても役に立つのか? という疑問は否めないところですが。

で、私が一番気になっている体重ですが。

173cm以上176cm未満で54kg以上なら合格とのこと。良かったデブで落とされるオレはおらんかったんや。
……と思いきや、疾患のところに「過度の肥満を呈するもの」はNGとあったりするんですね。



やっぱりデブは軍隊生活を許されないようです。

*1:デパスのゾロ薬

*2:マイスリーのゾロ薬

*3:夜中の2時

*4:今からしてみるとなんで法学部に進まなかったんだろう。謎だ。まあ大学時代民法落としてるけど

*5:要するに基準を緩めないと人的資源が枯渇しそうな状況。HoI4でいうところの「無際限徴兵」くらいまで行き着いたあたりでしょうかね

*6:視力だけに

*7:ちょうどこの省令が制定された昭和3年に入営した棟田博さんの陸軍よもやま話によれば、そういうひとを目撃したとの記述あり

*8:0.2~0.3くらい。体調によって結構変動したりする

*9:要するに別表ですね

*10:近視、近視性乱視を指す。表上略記されている

*11:脂肪過多を指す。表上略記されている

*12:身体検査合格の基準

*13:合格基準の特例

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