今日のはてブ(2014/11/08)
土曜日で午後は丸々自宅に居たというのに後付更新というね、もうアホかとバカかと。
経産省 石化産業に「50条調査」
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2014/11/07-17982.html
[化学][化学工業日報][エチレン][クラッカー][企業][石油化学]本文では触れてないんですが、2030年のワーストシナリオでは300万トン規模まで縮むって話が出ています。詳細は経産省の資料参照ですね。
(追記)基本的に経産省のリリースと実物読めって話なんですが、一応こっちを紹介しておきます。
以下、要約と個人的感想を織り交ぜた落書き。
- <概要>
- 国内ナフサクラッカー能力は720万トン/年、住友化学と旭化成、三菱化学の停止で2016年では640万トン/年まで縮小
- ここまでやっても波が激しくかつ儲からない。売上高経常利益率2.5%(過去10年)。
- 国際的な需給構造は以下要素で大きく変化見込み。主に日本から中国への輸出であたりが大きい
- 北米のシェール関係
- 中国の石炭化学
- 中東の化学産業への投資拡大
- 中国の経済成長減速
- 内外需給構造変化の影響
- 上記の影響をモロに受けた場合、内需減・輸出減で国内エチレン生産量は減少
- 2020年:470万トン/年
- 2030年:310万トン/年
- 上記の影響をモロに受けた場合、内需減・輸出減で国内エチレン生産量は減少
- 対応の方向性
- 設備集約/再編
- 石油精製との連携強化
- 近隣事業所とのエネルギー融通/設備共有化によるコストダウン
- 安価な原材料獲得/独自の生産技術による海外展開促進
- 国内ナフサクラッカー能力は720万トン/年、住友化学と旭化成、三菱化学の停止で2016年では640万トン/年まで縮小
- はじめに
- 今まで死にそうになりながら競争力強化してきた
- それでも構造が変わってきてますます死にそうです
- どうするか考えてみた
- 石油化学産業をめぐる環境変化
- 我が国石油化学産業をめぐる現状
- 波が激しくかつ儲かりにくい
- 設備停止とかは進んでいる
- それでもシェールとか石炭化学がヤバい
- 北米のシェール革命
- シェールガスが米国ガス生産の3割以上
- おまけにアジアのクラッカーの1/3のコストでエチレンを作れるようになってる
- 天然ガス価格が低迷しているせいで風が吹けば桶屋が儲かる式にエタンが余って価格が下がる傾向
- 資源としては物凄く潤沢
- マージンが年々拡大する傾向。一方で設備投資の集中で建築コスト絶賛高騰中
- 汎用品(ポリエチレンとかエチレングリコール)がクソ安くなりそう
- プロピレンは諸般の事情でそこまでヤバくはなさそう、でも予断は許さない
- 中国の石炭化学
- 中東の化学産業への投資拡大
- 安い随伴ガスでシェア拡大中
- 設備能力の伸びは落ち着き気味
- 内政的要素により原油の製品化に注力中
- 基本的に内需が小さいのでアジアや中国に流れるっぽい
- 我が国製造業の国内需要
- 主な用途は自動車、建設、包材
- 色々あったがそこまで極端な増減はなし
- 生産拠点の移転、少子高齢化などで先々需要は減る
- 主な用途は自動車、建設、包材
- 我が国石油化学産業をめぐる現状
- シナリオに基づく将来の需給試算
- 基本的な考え方
- いちばん起きそうなケースと一番アカンパターンを想定
- 我が国の将来の需給に影響を及ぼし得る要素
- 供給面では、シェール/中東の投資拡大/中国の石炭化学が要素
- 需要面では、中国の需要減退/国内の需要減
- ベースケースとリスクケースの検討
- それぞれのケースを細かく検討している
- ベースシナリオとリスクシナリオに基づく将来の需給試算
- リスクケースその1:シェール/中東の投資拡大/中国の石炭化学が大繁盛
- リスクケースその2:中東の投資拡大が起きて中国も国内も需要が減退
- C4・C5、BTX、PVC について
- C4・C5についてはタイヤで使うので需要は増加傾向、エチレンが減ると原料が足りなくなるので影響大
- BTXについては色々あれど影響はあんまりない
- PVCについては寧ろ輸出が増える傾向。シェールや中国の動向次第
- 基本的な考え方
- 石油化学産業の課題
- エチレンセンターが抱える課題
- エチレンが動かないと誘導品もあおりを受けて共倒れ
- エチレン等の生産量の減少による影響
- エチレンが出発点なので輸入が中心になると付加価値の高い製品が勝てなくなる
- エチレンセンターが抱える課題
- 石油化学産業の課題に対する対応の方向性
- 弱みの克服:国内エチレンセンターのコスト競争力向上
- アジアのエチレンセンターの3割くらいが死にそうです
- 国内エチレンセンターについて、なんとかなりそう(なるとはいってない)
- 弱み克服のためのハード面の対応
- エチレンセンターの規模の最適化
- 過剰設備を潰した上で設備集約と規模拡大必要
- そもそも儲かってないのに設備投資するわけねぇだろ的なところあり
- 行政の支援が必要
- そもそも儲かってないのに設備投資するわけねぇだろ的なところあり
- 過剰設備を潰した上で設備集約と規模拡大必要
- 石油精製との連携強化統合運営
- かなりメリットがデカい(でもすでにやってる部分も多い)
- そもそも会社が違うので統合がキツい
- 行政の支援が必要
- 柔軟性の確保
- ナフサ以外も行けるようにすべきじゃねぇの
- 用役共通部門の共有化
- かなりメリットがデカい。おまけに未着手の部分も大
- 石油精製/石油化学以外も含めた連携がカギ
- エチレンセンターの規模の最適化
- 弱み克服のためのソフト面の対応
- 強みを伸ばす:グローバル展開と差別化の推進
- グローバル展開
- 誘導品の強化
- 競争力のある誘導品の更なる強化
- 高付加価値品のR&D、事業化
- 汎用誘導品の集約強化
- 国が乗り出して設備集約を促進、支援強化を検討すべき
- 競争力のある誘導品の更なる強化
- 時間軸
- タイムリミットは2017年(シェール由来プラントのスタートアップ)
- もうひとつのタイムリミットは2022年(国内既存設備寿命)
- 欧米企業の事業展開事例からの示唆
- うわっ…我が国の石油化学の収益率、低すぎ…?
- ロールモデルはBASF、Dow、DuPont
- うわっ…我が国の石油化学の収益率、低すぎ…?
- 弱みの克服:国内エチレンセンターのコスト競争力向上
- おわりに
- 将来的に生産能力過剰
- 再編が必要
- 定期的なフォローアップという名の監視が必要
- 国はその環境整備に全力を尽くす必要がある(やるとはいってない)