今日のはてブ(2017/01/11)(2)
マツダのデミオを買って以来すっかりマツダファンになってしまった伊達要一です。我ながら随分と単純な性格をしていると思ってなりません。
内燃機関のイノベーションが生み出す地平
ここのところハイブリッド自動車や電気自動車、水素燃料電池自動車といった技術にばかり焦点が当たる傾向がある中で非常に興味深い話が出てきています。
マツダの新エンジン 3割省燃費 ガソリン車でリッター30キロ
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予混合圧縮着火自体はかなりロングスパンで開発していたものなので、マツダファンとしてはモノになって欲しい。日経発ってのが気がかりだけど。
2017/01/10 10:22
予混合圧縮着火技術(HCCI)はマツダ以外の会社でも開発が進められていて、日産は将来技術として研究中とウェブサイトにも掲載していますし、メルセデスベンツなんかも研究しているみたいですね。
ガソリンエンジンは空気と燃料を混ぜた混合気に対して点火プラグを用いて着火させて燃焼させることでピストンを動かす仕組みなわけですが、予混合圧縮着火については混合気を圧縮することで自己着火させて燃焼させる仕組みとなっています。前者の場合着火させたところから燃焼が広がりますが後者は混合気が全体的に燃焼します。両者の差異は用いる燃料の量で後者の方が少ない燃料で燃焼することが可能になります。これは前者の場合着火させたところから遠い地点の混合気が燃焼せずそのまま排気されてしまうのに対して、後者の場合は均一な混合気全体が燃焼するため燃料のロスが少ない点が要因となるわけです。
ただ、実現させるために必要な圧力と温度の条件が厳しい*1ため各社とも研究中の技術というのが現状です。主にこの条件を緩和させるための手法を探っているというところでしょうか。
マツダに関していうとかなり前から研究を進めていることは様々な媒体で報じられていて、2015年には「2020年までに、グローバルで販売するマツダ車の平均燃費を2008年比で50%向上させる」と公言しており、恐らくこの時期までには実用化させると見られていました。今回日経というある意味非常に微妙なメディア*2ではありますが、具体的な時期(2018年度末)や車種(アクセラ*3)も報じられているあたり非常に興味深いところです。
冒頭に述べた通り内燃機関に依らない*4技術に注目が集まる中、内燃機関に注力していることはある意味「人の行く裏」を進むようなところがあります。ただ、内燃機関単体の燃費を大幅に改善することが実現されればエネルギー資源の消費に対する効率は内燃機関に依らない技術に対して優位に立つことが可能であって、かつて自動車の黎明期に電気自動車がガソリンエンジン自動車に敗北したようなことが再現されることは十分に考えられます。実際、日経の記事を丸ごと信用するのであれば現行のアクセラのハイブリッド自動車モデルよりも燃費で優位に立つということになります。
非常に面白い話ですしぜひとも実現して欲しいと思う次第です。