伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/11/30)(2)

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工場マニアですが、さすがに船をチャーターして夜景を撮るほどの根性はありません。
伊達要一です。

古くて新しいプラントにおける運転最適化技術

三井化学 用役バランス ビッグデータで用役最適化(化学工業日報)

別にビッグデータなんてバズワードを使わなくても90年代以降からずっと進んできている取り組みなんですけどね。あと、これをやるなら制御室の全体統合もセットじゃないと

2016/11/29 10:42

化学工業日報はWebではリード文しか公開していないので、これだけだと製造原価に対する月次処理と運転条件の変動の話がごっちゃになっていう非常にマズい内容です。恐らくは各プラントの運転状況に対して用役側の稼働条件を小まめに変えられるようにするという程度の話でしょう。ぶっちゃけそこまで大騒ぎするほどの話ではありません。

プラント運転に関する高度化や最適化技術というのは「ビッグデータ」というバズワードが使われていると、さも最近始まった革新的な取り組みのように思えますけど実のところ80年代から漸進的に進化している領域なんですよね。それこそプラント関係の制御をやっているメーカーなんかも昔から謳い文句にして売り込みに来ています。ビッグデータのところは、極論すれば今までの運転条件の積み重ねを受けて用役側を操作するというだけの話です。
製造原価に関する月次処理に関しても、こちらも技術的にはだいぶ昔から日次レベルでやってやれない話ではありません。ただ、人員リソースなどの面で月末にまとめて締め切りをするというだけです。

この記事で一番重要なのは「新技術は常時、電力や蒸気を無駄に使用せず、支出の少ない最適な運転状態を中央制御室で確認」出来るという点です。よくある日本の化学プラントの場合制御室が各プラントごとに点在しており、各数値情報が実態として一つのコンピュータシステムとして繋がっている状況にも関わらず、他プラントの状況は個々に問い合わせをしないといけないという状況が長く続いてきました。これは、化学工業のような素材・設備産業におけるオーバーストアが長く続いたことで設備投資が進まなかったということが原因の一つと言えるでしょうけども、そんなお粗末な状況だったわけです。

IoTにしても今回出ているようなビッグデータにしても、さらに言えばディープラーニングに代表される新しい人工知能技術にしてもそうだけど、化学業界への導入は非常に容易だと思います。すでに仕組みはかなりのところまで個別最適で作られているわけですから。あとは、それを全部繋いで一つの窓口で見られるようにするだけの話です。