伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

シベリア鉄道9400キロ(宮脇俊三/角川文庫)

宮脇さんの鉄道紀行は読むと妙に腹がへる。

以前に読んだインド鉄道紀行(角川文庫)も食い物の話があっさりとしか書いてないのに、出てくるカレーといいポタージュスープといい妙に旨そうに見えてくるのが不思議である。本書に出てくる食べ物も実際に食べたらおそらくそれほど美味しくないのだろうけども(ライ麦パンにソ連時代の食べ物っすよ)不思議と魅力的に見えてくる。鉄道紀行の魅力に加えて、食べ物に対する不思議な魅力が宮脇紀行文の魔力なのかもしれない。

本書で描かれているシベリア鉄道はまだソ連があったころ(昭和57年)でこれから徐々に斜陽に向かっていく時代だから、なんとなく想像の中のソ連とマッチする所が多くて中々面白い。「鉄」じゃなくてもソ連・ロシア好きクラスタにもオススメできる一冊だ。