伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

本日の更新(2017/01/04)


昨日、近所の百均漢字練習帳を買ってきましたので早速書写をやってみました。中々使い勝手も良いので細かいことを書きたいと思います。
yohichidate.hatenablog.com
買ったのはダイソーの漢字練習帳でタテ15字Xヨコ10字で150字詰めのシロモノです。一応律詩であれば1頁に収まるんですが、タテの升目が余るのが難点ですね。あと排律や古詩は1頁に収まらないのでどうしようか思案中です。まあ、個人的に絶句と律詩以外はあんまり興味がないので実用上はどうでもいいのかもしれませんが。

ちなみに写真に写っている岩波の唐詩選は1962年初版のもの*1なんですが、その後2000年に改版されているんですよね。改版でどのあたりが変わっているのか気になるところです。

唐詩選の李白の詩だけでそこそこの数があるんですが、その後はどうしましょうかね。好き嫌いだけで言えば李白詩選を買ってどっぷり耽るのも悪くないと思うんですが、唐詩ならやはり杜甫は外せないところだしそこを書写してもいいのかな、と。

李白であれば私も昔持っていた岩波の李白詩選が非常に良くてまた買いたいと思っているところです。昨日も書いたけど街の本屋じゃ見かけないので折を見て紀伊國屋書店にでも行かないとだめでしょうね。

杜甫は岩波から出ているのもあるけど、最近講談社学術文庫から4巻本の労作が出ていてちょっと欲しいと思っていたりします。講談社学術文庫版は新しいこともあってちょこちょこ街の本屋でも見かけるし今のうちに買っておいた方が良いのかもしれませんね。


商業的には杜甫であれば漢詩を勉強する向きのテキストとしてまだ需要があるということでこの労作が編まれたんだろうと邪推するわけですが、李白で同じような企画は望み薄ですかねぇ……

あと商業的云々という話で言うと、やっぱり唐詩選は岩波から文庫が出るだけあってまだ一般向けなんでしょうね。同じく唐詩を編んだ唐詩三百首や三体詩は岩波文庫から出ていなくてここらへんは図書館で下書きをして家で清書するような具合でしょうか。



毎度お馴染老害辞書厨の繰り言のお時間です。
私自身語義を調べるのに精選版の日本国語大辞典や百科事典類は良く引いていましたけど漢和字典は流石にあまり使ってませんでした。今日的にはPCをメインで使っている以上字体を引く必要性が乏しく埃を被っていた*2次第です。今回書写をやるのに所謂旧字*3を必要とするわけで、今までは手帳に書いていたこともあって文庫の細かい文字を見ながら誤魔化し誤魔化ししていたわけですけど、今回漢和字典を引いたら明瞭に字体が出ていて勉強になりました。

今どきの電子辞書の漢和字典だと音訓でサラッと引けるので本当に楽ですね。部首別画数で引くのは正直面倒でそれがあって漢和字典から遠ざかっていたけども一度これに慣れたらもう病みつきです。手元の電子辞書に収載されている漢和字典大修館書店の新漢語林なんだけどとりあえずは実用上困っていません。本当は紙媒体の辞書の方が字体を見るのには良いのかもしれませんが。あと字体で言えばもうちょい専門のものも揃えたいなぁと思っていたりするんですが、流石に置き場所がなぁ…… 狭い机の上に広げるのもしんどいしちょっと悩みどころですね。



ドラえもん のび太の宇宙小戦争」と言えば「ドラえもん のび太と鉄人兵団」「ドラえもん のび太とアニマル惑星」と並んで藤子・F・不二雄先生のミリタリーテイスト溢れたマスターピースなのは論を俟たないわけですが、「鉄人兵団」が特殊工作能力を有した増強分隊による絶望的な末期戦を描き「アニマル惑星」が軍事顧問団として現地住民を率いたゲリラ戦を展開するのに対して、「宇宙小戦争」はピリカ星という国家における権力闘争から端を発するドロドロとした戦争物とスネ夫のラジコン戦車を用いた比較的派手で華麗なドンパチを両立させた中々どうしてステキ仕様の物語で個人的な評価としては一頭地を抜くものと思っています。

最近Twitterのタイムラインやmixiの知り合いの書いている内容を眺めていてこのような趣旨のつぶやきが流れていて色々と考えさせられました。


人口10,000千人に対してギルモア将軍率いる戦力が800千人と異常な比率になっているという指摘なんですが、これについては少し異論があったりします。ギルモア将軍率いる800千人の戦力自体いわゆる「軍隊」以外の治安維持組織――就中警察や消防といった組織を強引に統合した上で含んだものなんじゃないかという疑問です。ナチスドイツなんかで言えば国防軍に武装親衛隊、そこに一般SSやら警察消防を混ぜ込んだようなカウントになってるんじゃないかというお話ですね。ここらへん、数的な部分を底本から拾い出した上で色々と推定をしながら論を進める必要があるのでここまでにしておきたいと思います。

今回このまとめで追記されて気になった話がこちら。



この2件のつぶやきで指摘されている通りギルモア将軍サイドにおける空軍の位置付けはかなり微妙なもので「信用ならん」とまで言われています。まあ、お前が言うなというツッコミはさておくとしてあまり信用できる手駒ではないという評価なんでしょう。つぶやきにあるクーデター時の動きにおける描写について言えばそもそも論としてクーデターにおいて空軍にあまり出る幕が無いという側面は無視出来ないし要するに「占領」を行うのは銃剣を着けた歩兵以外にはなし得ないという観点から言えば描写されていないのもあながち間違ってはいないわけでありますが、まあ正直あまりやる気は無かったと見るのも一つの観点としてアリなのではないかと思います。せいぜい首都上空をブンブン飛び回って制空権を維持しているという格好を跳ねっ返りの指揮官あたりがやっているくらいかな、と。ちなみに海軍というのは大体どこの国においても核戦力をメインで用いる潜水艦部隊を除いてそもそも政治にあまり関与しないわけで、やれることと言えば沿岸部制圧と海上通商路周りのあれこれという長期戦にならなければ意味をもたらしにくいアクションしか取り得ないので、クーデターに対する位置付けは「中立」なのかな、と。メタなことを言うならば80年代という時期を考えて第2次世界大戦における海軍善玉論(当然ここに陸軍悪玉論が付随するわけですが)全盛期で帝国陸軍に対する再評価が為される前なわけです。藤子先生の腹の中としてはやはりそのイメージがあったことは想像に難くないところかな、と思う次第です。

というわけで、冒頭つぶやきの通り本作のギルモア将軍サイドによるクーデターにはPCIA・陸軍 対 空軍という軍内部の兵科対立という構図も含まれるんじゃないかと思われるわけです。

それで、PCIAと対立する組織の話です。過去に何度か宇宙小戦争の話でつぶやいているんですけど、キーマンは治安大臣のゲンブ氏です。小惑星帯レジスタンスの拠点を設けたりしてそこに空軍から離脱したと思われる連中が駐留しているあたりここまでの仕込みをギルモア体制下で構築するあたりなんともやり手であります。厳密に言えば全てが彼自身による手腕というわけではなく彼の配下を含めての功績だとは思うのですが。
治安大臣という役職から考えて治安省と想定される省庁は我々にとってわかりやすいタームで言うならば内務省です。要するに治安維持行政全般を担うということになります。
さて、ピリカ星のクーデター以前における政治制度については大統領が民選であること以外作中明確に述べられておらず推測の域を出ないところではありますが、幾つか想定されるパターン*4のうち、政治任用されたという前提で考えていきたいと思います。
治安大臣というのは(特にギルモア将軍の関わるPCIAの存在を考えて)お飾りで済ませられるポストではありません。この領域に深く足を踏み入れていた人物が任用されたと考えるのが自然でしょう。ここからはもはや妄想の領域ですが、ゲンブ氏自身は警察行政か地方自治体――とくに植民惑星の行政に深く関わっていたのではないかと個人的には思っています。
パピ大統領自身がドラコルル氏に対しる評価を述べた部分でこのようなつぶやきがあります。


これはパピ大統領自身がドラコルル氏を「使う」立場だったというよりも、治安維持機関に深く関わっていたゲンブ氏から見たPCIAという軍の情報機関に属するドラコルル氏に対する人物評をそのまま述べたものではないかと推察されます。なんとなればドラコルル氏を「使う」ほどの権力や策謀がパピ大統領自身にあったとはあまり考えられないからです。

ここでパピ大統領自身の立ち位置を考える必要があります。彼は飛び級で大学を卒業し大統領に民選された経歴を有するわけですが、この経歴は米大統領のバラク・オバマ氏やチリ大統領のサルバトール・アジェンデ博士を彷彿とさせるところがあります。ある種ハト派理想主義の立ち位置であり、理念や政策はともかく政局や諜報という領域についてはあまり強さを見ることが出来ないわけです。恐らくはこの領域についてはゲンブ氏そして自治省配下の警察権力を中心に遂行していたのではないかと推察されます。当然に軍よりも自治省を重く用いるということになります。権力構造として自治省系に天秤が傾くなかでギルモア将軍サイド(PCIAや陸軍)としては権力の縮小や喪失を恐れたことでしょう。ここで重要なのは取り立ててパピ大統領が粛軍や軍縮を打ち出すか否かはあまり関係無いということです。あくまでも権力の天秤という観点で軍が治安維持機関に対して劣位に置かれるということに対する抵抗があったのではないかと推察されるところです。

つぶやきに絡んだ話としての小結論としてピリカ星事変(ギルモア将軍によるクーデター成功からパピ大統領の復権まで)の構図にはそれぞれ機関における権力闘争という側面が色濃いということを指摘して一先ず本稿を終えたいと思います。

このネタ、記事を改めて少しまとめてみたいところですね。色々な話題に飛びすぎてちょっとこれは読みにくいですわ。



ふと気になって読んでいたんですが、末尾の関連項目にチリ・クーデターがあって思わず吹きました。
上述した通り、軍を中心とした民主主義政権に対するクーデターやバックに情報機関が関係しているあたりかなり当てはまる話ではあるんですよね。ここらへんを含めても書きたいところです。

*1:高校時代に古本で入手

*2:電子辞書なので物理的にはアレですが

*3:正確には康熙字典

*4:本稿では議員内閣制における警察族議員上がりのケースについては触れないですが、こちらも可能性は大でしょう

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