伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/12/28)

今年も暮れゆく今日この頃ですが色々と意欲が湧きません。伊達要一です。
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期日ありきの検察送致

労働基準法自体、所詮はどうあがいてもマックスで6ヶ月の懲役で執行猶予のつく程度の罰則だとはいえ、報道陣のカメラの砲列を前に猿回し*1をするとか年末年始を小菅にぶち込むとかそこまではやると期待していたんですが拍子抜けですね。今日は官庁御用納めということで基本的にはお役所関係の年内最終営業日です。恐らく東京労働局の専従班は今日が本件のタイムリミットと厳命されていたんでしょう。というか本件での立ち入り自体がある意味重要で予算編成に対するPR活動という意味合いがある以上、今年中に検察送致まで持っていって通常国会での審議を円滑にするというのが至上命題だったということが邪推されてなりません。

電通と幹部を書類送検 違法な長時間労働させた疑い | NHKニュース

幹部と書いてあるってことは最低でも部長職以上なんでしょうかね。官庁御用納めの日にぶつけてきたのはまともな正月を迎えさせないというポーズでしょうか。

2016/12/28 13:46

本件の悪質性はもちろん犠牲者が出たという点は痛恨の極みなんですけども、36協定*2についての違反に加えて、協定違反隠しを目的としたタイムカードの実質的改竄という点で役所としては悪質性が高いと見ているんでしょう。まあ、実際のところタイムカードの実質的改竄については36協定を提出している企業において相当に横行しているでしょうから、一旦前例を作って年明けから来年度にかけて同様の案件で今度は労働基準監督署レベルでも動いてくるんじゃないかと想像されます。

yohichidate.hatenablog.com
過去書いた記事では冒頭述べた猿回しくらいはやるのかと思っていたわけですが検察送致で収めたあたりこれ以上ネタが出てこなかったんでしょう。出てくればとりあえず年末に猿回しをして時間を稼いで、年明けからさらに大きな案件に取り組む可能性もあったと思うわけですが、恐らく本件自体はこのまま裁判をやって終了というところでしょう。電通なんか恐らく仕事納めなんて関係ないんだろうけど、この日にぶつけてきたのははてブにも書いた通り官庁としてのポーズですね。経営者に安穏と正月を迎えさせないというメッセージです。気の毒なのはバックオフィス部隊の一般社員で恐らくは正月返上で裁判対策ということになるでしょう。

それにしても立件する相手が直属の上司と企業ということなんですが幹部社員というNHKの記述を信用するならば部長職以上なんでしょうか。労働局としては人事の関係役員くらいまで立件したかったんだろうけども、恐らくそこまでは時間的に不可能だったんでしょう。ある程度絵図が書けていれば先に述べていたような時間稼ぎをやってくるんじゃないかと思ったんですが個別の現場という電通側のストーリーに乗らざるを得なかったということなんでしょうね。管理監督責任自体は法人全体でかけざるをえなかったと。

(2016/12/28 23:31 追記)
本日の記者会見で1月での石井社長の辞任(代表取締役は3月の株主総会まで継続)が出ましたね。
www.bloomberg.co.jp
これであとは本件で立件された幹部社員について罰金刑か執行猶予つきの懲役刑かが出てお終いというところでしょう。

*1:腰縄手錠で連行すること

*2:労働基準法第36条に規定する「法定労働時間や法定休日を超える労働」についての労働者代表との協定