伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/11/18~2016/11/29)(1)

f:id:yohichidate:20141228094720p:plain
ストレージに関しては、ハードディスクならWestern DigitalSSDならIntel党ですが、メーカー製PCだと色々ともにょることになりがちです。
伊達要一です。

独り歩きさせるべきではない、Backblazeのハードディスクドライブ故障率情報

HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2016年第3四半期版をBackblazeが公開 - GIGAZINE

相変わらずSeagateがアレなのはいつものことだけど、Western Digitalもモデルによって欠陥品じゃねぇのレベルで故障しまくっているのが印象的

2016/11/29 10:33

Backblazeのハードディスクドライブ故障率調査は以前にもネタにしたことがありますが、最近になって色々と判断が難しいなと思っています。

そもそも、数十台単位で使っている製品*1の故障率は、一般ユーザの「感覚」的な情報よりは意味を持つけども、当該型番の全出荷量と比較すれば参考情報程度にしかならないような情報です。数百台単位でもその延長線上と言っていいでしょう。
さらに言えば千台単位で利用している製品についても、稼働時間やアクセス頻度といった要素で故障頻度は変わってくるわけで、これをもって「Seagateは欠陥メーカー」だとか「Western DigitalWD60EFRXは欠陥モデル」というのも少し違うのではないかと思うところです。

また、そもそもBackblazeがサーバストレージに向かないハードディスクドライブを使っているのでは? という見解もあったりします。

 この日最も突っ込んだ話が出たのは、NAS HDD担当の山本氏のプレゼン。Segate製HDDは故障しやすいと話題になってしまった真の理由や、HDDの正しい使い方など、知っているようで知らない話が語られました。


 山本氏は、「HDDは用途に合わせたモデルを選ばないと壊れる」と用途に合わせてHDDを選ぶことの重要性を強調。HDDは個々の用途に合わせ設計されているため、モデルごとに特性が異なります。


 例として、アメリカのデータセンターBackblazeが公開しているHDDの故障率を引用して紹介。


 「調べてみたところ、Seagate製HDDの故障率が高いとされているはデータセンター向けのHDDが使用されていないためで、用途に合わせたモデルを選ばないとこうなるという一例」。「こういった用途に合っていないモデルを選択することが“間違った伝説をつくる”」といった話が語られました。

HDDメーカーが語る「HDDを壊さない使い方」、HGSTが店頭イベント実施 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!

クラウドストレージサービスということで言えば、スタートアップ/シャットダウンに伴う高い負荷を受ける回数こそ少ないものの、一方で連続稼働時間やアクセス頻度という観点においてはシビアな環境であるわけで、メーカーの立場としてはフェアな情報ではないと感じられてしまうのも致し方が無いでしょう。上述の発言があったHGST*2の製品は、故障率が比較的低い部類になるのですが、現時点で販売している同社の製品はサーバやストレージ、ワークステーション向けのものだけということがあり、そもそもイコールコンディションではないということを理解しておく必要があります。

ただ、先にも述べましたが一般ユーザの「感覚」よりは利用台数という母数も大きいわけで、傾向を見るという観点では参考になる情報であることは確かです。

そういったところを踏まえた上でこの表を見ると、相変わらずというかいつも通りというかSeagateの故障率が高めですね。特に34,744台投入しているST4000DM000に関して言えば、期間中100台に3台は故障している計算になるわけで、この数値を見る限り故障しやすいモデルと言わざるを得ないということになります。ただ、先に引用した通りこのモデルは民生用デスクトップPC向けの製品で、サーバストレージに利用することによって故障率が高めになっているという側面があるのではないか? という見方も出来なくはありません。
また、以前からもWestern Digitalの製品がSeagateほどじゃないにせよ故障率が高めに出ていて、今回も1,080台投入しているWD30EFRXが100台に2台は故障する計算になる状態です。当該製品はNASRAID環境向けとされているモデルなので、むしろSeagateよりも問題があるように見えます。ただ、大規模なストレージ向けとしてWD RED PRO NAS HARD DRIVEという製品を出していて、本来であればこちらを使うべきなのかもしれません。

投入台数が少なめながら故障率が高いWestern DigitalのWD60EFRX*3SeagateのST4000DX000*4に関しては正直品質不良を疑いたくなるところがありますが、いかんせん投入台数が数百台オーダーということもあって、評価が難しいところですね。自分で使うことを考えると敬遠したくはなるところですが。
個人的には手持ちのデータについて殆ど全てクラウドストレージと同期していることもあって、そこまでハードディスクドライブの信頼性についてはこだわらなくなってきているところがあります。それよりも、環境を戻すのが面倒という方が大きかったりします。

ダン自作PCを考える際にはデータストレージを全てNASにして、PC側にはSSDのみにするというのも現実的に考えた方がいい時代になってきているのかもしれませんね。SSDのサイズであれば、ディスクイメージごとバックアップというのもそれほど非現実的な容量ではありませんし。

*1:掲載されている表で言えば東芝のDT01ACA300やMD04ABA500V、Western DigitalのWD40EFRX、HGSTのHUH728080ALE600など

*2:IBM、日立系のラインで生産されているが、Western Digitalの別ブランドの位置付けとなっている

*3:11.31%

*4:10.20%