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伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/11/04)(3)

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この記事は以下の記事の続きです。
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com


イデオロギッシュな原発反対派には生暖かい視線を注がざるを得ないですが、同じくらいにイデオロギッシュだったりする原発推進派にも生暖かい視線を注ぎたくなります。
伊達要一です。

東京電力にプラント運営の資格なし

福島第一原発、送電線の鉄塔に亀裂、運転開始後 一度も点検無し - 化学業界の話題

保安規定違反のなかでも一番軽い「監視」だったとはいえ保全計画から漏れていたってのはプラントメンテナンスの観点でかなり拙いかと。

2016/11/04 12:52

業界関係者向けのブログから持ってきているネタなので、まずはオフィシャルの情報からですね。

www.nsr.go.jp

こちらの「原子炉等規制法第43条の3の24第5項の規定に基づく保安検査結果のとりまとめ」の「Ⅳ.発電用原子炉施設」に報告書があります。まあ、以下のリンクを叩けば良いだけなんですが。

www.nsr.go.jp

関係する記述はこちら。

4.保安検査結果
(中略)
(2)検査結果
1)基本検査結果
(中略)
⑤その他(66KV双葉線引留鉄構に掛かる保守管理計画の不備について)
平成28年8月22日、66KV双葉線(外部電源設備)の引き込み線ルート変更の工事中に開閉所屋上に設置されている引留鉄構の鋼材の一部に損傷があることが判明し、保安検査期間中である8月25日に事業者から当該事象について報告を受けたことから、当該設備に係る保守管理の実施状況について検査した。
検査の結果、当該引留鉄構の管理については、5号機が運転開始した昭和53年8月9日、当時の猪苗代電力所所長と発電所技術課長との間の取り決めで、発電所の所掌範囲になったことを記録により確認した。しかしながら、保守点検の実施の有無については、当時の記録が残っていないこと等から、事業者は当該引留鉄構が、この時点から点検の対象外であったと判断していることを聴取により確認した。また、平成21年に、重要度分類に応じて設備毎に保全計画を策定することが保安規定で義務付けられてからも、当該引留鉄構はPS-3に分類される構築物でありながら保全を行うべき対象機器に選定されず、さらに、発災以降に外部電源設備の一部に改造されてからも保全に必要な点検が行われなかったことを聴取により確認した。
以上より本件は、実施計画Ⅲ第2編第107条保守管理計画「7.保全計画の策定、8.保全の実施」の不履行にあたることから実施計画違反(監視)と判定した。なお、現時点では引込鉄構の倒壊には至っておらず、外部電源喪失等の安全機能に影響を及ぼすような異常事象も起こっていない。
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所 平成28年度(第2回)保安検査報告書(実施計画に定める保安のための措置の実施状況の検査)p9)

https://www.nsr.go.jp/data/000168876.pdf

4.保安検査結果
(中略)
(2)検査結果
1)基本検査結果
(中略)
⑤ その他(開閉所引留鉄構に係る保守管理計画の不備について)
保安検査期間中に「1F開閉所双葉線引留鉄構の保全計画」が策定されておらず、点検が実施されていないとの情報を受け、2F富岡線(500kV)及び岩井戸線(66kV)引留鉄構の保守管理状況を確認した結果、1Fと同様に保全計画が策定されておらず保全計画に基づく点検が実施されていないことが判明した。一方で事業者は、「原子力発電所建築設備点検マニュアル」に従い、巡視点検を年に2回実施していたことを「委託追加仕様書」及び「業務実施計画書」により確認した。また、現場確認により、当該、引留鉄構については、亀裂及び腐食等の異常は認められなかった。
本件は保安規定第107条(保守管理計画)「7.1 点検計画の策定」(組織は、あらかじめ保全方式を選定し、点検の方法、並びにそれらの実施頻度及び実施時期を定めた点検計画を策定する。)を満足しないことから、「開閉所引留鉄構に係る保守管理計画の不備」として、保安規定違反(監視)と判断する。
東京電力ホールディングス株式会社福島第二原子力発電所 平成28年度(第2回)保安検査報告書 pp8-9)

https://www.nsr.go.jp/data/000168849.pdf

長い引用になりましたが、要するに外部電源設備の引き込み線の鉄塔を全くメンテナンスしていなかったということです。第一原発では地震による被害なのかは定かではありませんが支柱が破断する損傷を受けていたそうな。もはや冗談の世界ですが、地震の後もそのまんまで引き込み線のルート変更工事でやっと気がついたという始末。

はっきり言ってお話にならないレベルです。プラント周りで仕事をしていた身としては呆れるより他無い。
又吉イエス氏じゃないですが、腹を切って以下略のレベルですよ。
プラント屋としてまともなプライドがあればこんな職場で仕事なんかしたくないです。保全計画ひとつまともに組めないような会社、組織がどうしてプラントという複雑にして緻密なものを運営できるんでしょうか。
原発の再稼働云々なんて少なくとも東京電力について言えばとても口に出す資格はない。

冒頭にも書きましたが原発反対派のイデオロギッシュな物言いはかなり鼻につくものがありますが、こんな組織にプラント運営をする資格はない。直ちにぶっ潰して法的整理をした上で他の電力会社に吸収させるべきでしょう。

ついでに言えば当局は一体何をチェックしていたのでしょうか? 開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。ここの責任追及もしっかりやって欲しいところです。

一方第二原発の方はちょっと微妙なのが「現場の気づき」で巡視点検はしていたものの、保全計画には入っていなかったということで違反とされています。「保全計画もクソもチェックするのがあたりまえじゃろ」という感覚があって巡視点検はしていたけどルール化はされてなくて、ある種「現場の秘伝」的になってしまっていたことを問題視されている格好です。
こちらについては多少擁護の余地があって、改善点を徹底的に洗い出して対応すれば良いという話なんですが、第一原発の体たらくを見ていると正直不安が大きいというのが本音です。

原子力発電そのものは必要に応じて進めれば良いと思っているし単純な原発反対運動には先にも述べたように色々とアレだと思っているんですが、こんな有様ではとても原発推進なんて言えないでしょう。
安全神話」なんて言われてましたが、何の事はない、単純に幸運にも事故が今まで起きていなかっただけの話だというのがよくわかりました。