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伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/11/04)(1)

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脂身のかたまりのような体ですが、まだなんとか生きています。
伊達要一です。

呉越同舟の利害関係と孤立する出光創業家

出光販売店を合併賛成に走らせる「業転玉」:日経ビジネスオンライン

販売店の立場からすれば市中に出回る業転玉が少なくなって、価格が落ち着いてくれた方がメリットはデカいわな。利用者からすれば微妙だけど。

2016/11/04 12:44

まずは「業転玉」という業界関係者以外には耳慣れない単語から説明せねばなりませぬ。

「業転」とは「業者間転売」を指すことばです。ガソリンが顕著なのですが、通常石油製品は元売りと称する石油精製業者からガソリンスタンド等を運営する特約店へと流通していきます。ところが、石油精製のプロセスの関係で欲しくないときにも生産をせねばならないときが、ままあります。
例えば冬場は灯油の需要が大きくなるのですが、灯油を精製する過程で他の石油製品ーーつまりガソリンも生産されてしまいます。当然実需に見合わない量になるわけです。需要以上に生産されてしまった石油製品は特約店以外の系列外へ販売されることになります。これが「業者間転売製品」ーー業転玉となるわけです。
石油元売り会社の看板を掲げていない、いわゆる無印スタンドはこういった業転玉を仕入れて販売をしています。元々生産余剰の過程で発生した製品ということもあり、特約店への卸値よりも安値になることが多く無印スタンドのガソリンが安いということの原因の一つであります。
余談ですが、日本で軽油価格が安いというのも石油精製の過程で需要以上に生産されてしまうということが要因だったりします。

さて、はてブ先の話題です。
ぶっちゃけたことを言ってしまえば、出光の特約店からしてみると昭和シェル石油と合併することそのものは大して興味がありません。興味があるのは昭和シェルとの合併に伴い、石油精製設備の集約統合を行うことで生産量が減るということです。
先にも述べましたが、業転玉は実需以上に生産されることで発生します。はてブ先にも書かれているようにハイブリッドカー等の普及からガソリン需要が下がっているなかで、ガソリンの生産設備が過剰になっていることで特約店は無印スタンドに対して厳しい戦いを強いられている状況にあります。この環境下での昭和シェルとの合併話は、出光という企業の理念を云々する以前に歓迎すべき話となるわけです。

出光経営陣の主張する昭和シェルとの合併メリットなんて正直どうでもいいわけです。単純に出光自身(それと昭和シェル)が垂れ流す業転玉が減れば減るほど彼ら特約店にとっては商売がラクになる。言ってみれば呉越同舟に近い状況でしょう。

他方、合併に反対している創業家は孤立していっているように見えます。当初、今般の合併反対の立場を出光という企業の理念ーー言ってみればイデオロギーーーから特約店も同じところに立つと見ていたフシがあります。民族資本、家族経営等々まあなんでもいいんですが、そういったイデオロギーの部分で連帯しようと思っていた。はっきり言って考えが甘い、時流が読めてないと話にならない状態だと思います。ガソリンスタンドの数自体右肩下がりの状態で特約店自身も日々悪化する経営のなかでガソリンスタンドをどうするか考えているなかで神経を逆撫でするような行動だった。

孤立して味方無しの状況下、資本の論理だけでどこまで突っ張ることができるかというと無理筋でしょう。この後はどうやって傷を小さく矛を収めるかということを考えないと、創業家の発言力は殆ど無くなってしまうでしょうね。