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伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2016/10/22~2016/10/28)(9)

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1テーマ1記事キャンペーンもようやく終わりを迎えます。
以下の記事の続きになります。ヨウヤクオワッタヨ……

yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com

あと、29日~31日にははてブをするようなネタが無かったためすっ飛ばします。ぶっちゃけた話11月に入ってしまったので。

予定では明日の未明に投げようと思っていたのですが、gdgd待っていてもしょうがないのでもう公開しちゃいます。

実際に行ってみた――防衛装備庁陸上装備研究所2016年一般公開編

陸上装備研究所、開発中の「軽量戦闘車両システム」を初披露---EV | レスポンス(Response.jp)

ドンガラとしての試験車両よりもCAE的な研究手法の方が興味深かったですね。

2016/10/24 20:55

これに関しては「実際に行ってみた」ということで、撮影してきた写真を中心に書いていきたいと思います。

軽量戦闘車両システムについてははてブをした先とはてブコメントがある意味全てです。写真も向こうの方がプロだけあってきっちり撮れていますし。それ以外の車両について簡単にこのあとまとめてみましたのでご覧頂ければと思います。

一応撮った写真だけ貼っておきましょう。

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なお、引きの写真に関しては過去に書いた「本日の更新」の方がまともな写真が撮れているのでそちらもご参照頂ければと思います。
yohichidate.hatenablog.com
ぶっちゃけたことを言うと、殆ど撮って出しに近い内容なので写真の出来は最悪だったりします。本当は1枚1枚補正をかけながらRAW現像をかけようと思っていたのですが、とてもそんな時間は確保できそうにないので。

以下、他に展示してあった研究についてです。

ハイブリッド動力システムの研究

自動車業界でもトヨタプリウスを発売して以降ハイブリッド自動車が日本ではエラく普及したわけですが、装甲車両界隈でも研究が進んでいます。
ただ、その目的は民生用自動車とは異なり燃費削減だけが目的というものではありません。機動性の向上*1だったり残存性・ステルス性の向上といったところが主目的となっています。
アメリカ陸軍戦車・自動車研究開発センターとの共同研究となっており、日本側では装軌車両*2、アメリカ側では装輪車両の研究を進めているとのことです。

なお試験については北海道にある試験コースで主に行われているとのこと。

実物は背の低い建設機械っぽい雰囲気でした。隣に置いてあったものが建設機械的なものだったので尚の事であります。
酷いことを言うとコ○ツの敷地に転がってても違和感が無い……というと怒られそうですが、試験車両なんてそんなもんなんでしょう。

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説明用ポスターの1枚め。「研究のねらい」にあるように一義的には機動性とステルス性の向上を目的としている。同時に民生用自動車同様の燃料使用量の低減も期待される効果に含まれるほか、PHEVなどで期待されている発電能力も効果として掲げられている。

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「所内試験の状況」に掲げられている写真は説明によれば北海道の試験コースで行われたものとのこと。将来的にはこの動力システムを様々な車両に適用することを構想としている。

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車体前部。試験車両ということもあり目立った武装も無く操縦席らしき箇所もガラス張りになっているため、建設機械のようにも見える。

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車体左側面。

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車体後面。ハッチもガラス窓がついており、戦闘車両の雰囲気はあまりない。

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車体右側面。

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銘板。「2015年2月」「三菱重工業株式会社」の記載が見える。

CBRN対応遠隔操縦作業車両システムの研究

東日本大震災に絡み発生した福島第一原発事故でも問題になりましたが、被災した原発やその周辺での作業は高放射線量であるがため、有人での作業――障害物の撤去や交通路の啓開といった作業や地上からの情報収集が困難です。
これを受けて現在開発中なのがCBRN対応遠隔操縦作業車両システムです。

研究のねらいにもある通り「CBRN*3汚染地域等の人員が危険で近づけず、現場の情報が事前に得られない環境下における、情報収集や施設作業といった初動対応」を行うことを目的に開発が進められてます。
特筆すべき点は事前に人が立ち入れないような状況下に対して、遠方の安全な地点から遠隔操縦によって自己完結で作業が可能な車両を目指している点です。建設機械メーカーでは類似する製品が既に出始めていますが、これらは現地にカメラやセンサー等を設置することを前提としているため、上述のシビアな環境下では機能しないため自己完結という点に拘っているとのことです。

正直やや大掛かり過ぎるようにも見えるところがあり若干の疑問を感じなくはないところではあります。例えばよりコンパクトな機材をベースに民生品を中心に設備を置くやりかたもあるように見えるからです。
ただ、一方で一刻を争う事態に対してそういうやり方ではもどかしいということもあり、意義が無いとは言い切れないところが判断を難しくしているところがあるように感じます。

現場の説明員に民生への展開についても聞いてみたんですが、やはり既にあるものとの競合は厳しいとのこと。一刻を争うシビアな環境下への初動対応というあたりに主眼を置く関係上、民生用建設機械では代替が難しいことから開発を進めているそうです。

地上側装備での自己完結ということを主眼に置いているとのことですが、例えばドローンに代表される無人操縦機からの情報も含めて統合的にデータリンクが出来るような仕組みも研究に含めていくと面白いように感じたのですが、実際のところのはどうなんでしょうか。

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研究のねらい。現場の情報が事前に得られない環境下での初動対応を自己完結型の無人車両システム技術の確立を目指している、とある。基本的には衛星通信を用いて指揮統制装置と遠隔操縦装軌車両を結び遠隔操縦を行い、場合によっては自動車に搭載した中継器ユニットを経由して通信を行う。

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写真だけを見るとただの建設機械にしか見えないが、多くのセンサーを車載するとともにCBRN対策を施した乗員室を設けており有人による操縦も可能としている。そのため一般的な建設機械にあるような操縦席が露出していない。

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既に計画上研究の第1段階は完了しており、現在は環境認識向上技術の研究にフェイズを進めている。
複数台の車両に搭載したセンサー等から収集した情報をもとに「遠隔操縦を含む走行・作業に適した広範囲な俯瞰表示」や「走行・作業エリアの精緻な3D地図作成及び障害捜索」といった研究が平成31年度に向けて進められている。

指揮統制装置

指揮統制装置はコンテナに発電機を付随させたもので見た目は非常にシンプルなものです。

内部も公開されており、建設機械のシミュレータのような設備にディスプレイとしてPanasonicのToughBookが用いられていたのが印象的でした。なんといいますか「ですよね~」という感じが。実際問題として、輸送の際にはコンテナごと運ぶこともあり耐衝撃性などに優れたPCでないと運用上支障が出ることから用いているとのことです。

なお、内部にはエアコンも設置してあり、炎天下などでも運用が可能にしてあるようです。

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指揮統制装置の外観。見た目は一般的なコンテナにドアを設けただけのシンプルなもの。写真右側の見切れた箇所に発電機が設置してあり、電源はここから供給する。

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指揮統制室の内部。建設機械の操縦に必要な装置とディスプレイとしてPanasonicのToughBookが見える。写真で見る限りCF-D1ではないかと推測される。

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指揮統制室の銘板。「2014年10月製」「株式会社IHIエアロスペース」の記載が見える。

無線操縦ショベルカー

ショベルカーは遠目に見るとオリーブドラブ色に塗装された建設機械で、陸上自衛隊の施設科*4に転がってそうな雰囲気があるものの、近づいてじっくりみるとかなり相違点があります。
顕著なのが一般的な建設機械では操縦席がある箇所にそれらしいものが無く、多数のセンサー類が搭載されているところです。
説明によれば、可視カメラに始まり赤外線カメラ、γ線カメラ、レーザ距離計、GPSγ線計測装置のセンサー類や衛星通信を行うためのアンテナといったものが搭載されています。

また、内部にはCBRN対策を施した乗員室が設けてあり有人での操作も可能としています。

気がかりな点は極めて高い放射線量の環境下でこれらのセンサー類が正常に動作するか? というところです。
実際に福島第一原発事故の際、遠隔操縦装置が正常に機能しなかった事例があることから何らかの対策は取っていると思われますが気になるところです。

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車体の斜め後方から撮影。逆光もあり施設科にありそうな機材に見えてしまう。

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車体前部。こうしてみると一般の建設機械では操縦席があるあたりにセンサーが搭載されており、通常の建設機械とは大きく異なることが見て取れる。

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車体後部。バケットアームは通常の油圧式ショベルカーだが、後方から見える衛星通信用のアンテナやセンサー類が通常の建設機械との違いをよく表している。

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車体の斜め前方から。こうして見ると多くのセンサー類がぎっしりと積載されているのが見て取れる。

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車両全体に対する銘板。「2015年2月製」「株式会社IHIエアロスペース製」の記載がある。

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車体部の銘板。こちらは「2014年10月製」「株式会社日立製作所製」「株式会社IHIエアロスペース納」の記載がある。素人考えだがこの手の建設機械は日立建機のイメージがあったので日立製作所製というのは若干意外である。

無線操縦ブルドーザー

こちらのブルドーザーも遠目にみた印象と近くでみた印象が大きく異なる車両です。
遠目の印象はショベルカー同様に一般的な建設機械に見えるものの、近くで見ると通常存在する操縦席が無いという違和感と多くのセンサー類が搭載されている点が異なる印象を抱かせるものとなっています。センサー類は可視カメラ、赤外線カメラ、γ線カメラ、レーザ距離計、GPSγ線計測装置や衛星通信を行うためのアンテナといったものを搭載し、さらにCBRN対応の乗員室を設けている点はショベルカーと同様の仕様となっています。

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前面はショベルカー同様センサー類が目立つ。一方でドーザーブレードの箇所は一般的な建設機械とほぼ同様となっているのがわかる。

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やや前方よりから側面を見る。ショベルカーと異なりアンテナ等のセンサー類の間にアームが無い関係上、衛星通信用のアンテナが目立つ。

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後面からみると、こちらにもセンサーらしきものが搭載されているのがわかる。

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車両全体の銘板。ショベルカー同様「株式会社IHIエアロスペース製」となっている。なお製造年月は「2014年10月製」と記載されていた。

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車体部分の銘板。こちらもショベルカーと同様に「株式会社日立製作所製」「株式会社IHIエアロスペース納」と記載がある。製造年月は「2014年5月製」とあり、研究試作の課程でブルドーザが最初に製造されたようだ。

中継器ユニット

指揮統制装置からの遠隔操縦は衛星通信を介して行われますが、例えば衛星通信が困難な環境等を考慮して中継器ユニットが別に存在しています。
おそらく三菱自動車パジェロをベースにしたと思われ、オリーブドラブ色に塗装された上でエンブレム箇所にカメラとおぼしきセンサーが搭載されていました。

外見では通信を行うために4本の高いモービルアンテナが立っているのが目を引きます。
ここまで背の高いアンテナが外に出ていると、素人考えでは妨げになるようなトンネルなどがあったときに困るように感じるのですが大丈夫なんでしょうか? また、道路運送車両法上も問題になりそうなんですが、このあたりの整合性が気になるところです。

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中継器ユニットの前面。車両そのものよりも車両の周囲に設置されたモービルアンテナと赤・青の回転灯が目立つ。

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左側面。モービルアンテナが車両の倍近くの高さまで延びているのがよくわかる。一方で回転灯はこの角度からは青色しか見えないことから、緊急自動車や防犯パトロール車としての用途ではなく、作業の状態や危険を示すものではないかと推察される。

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後面。前面のエンブレム箇所にあったようなセンサーらしきものがこちらにも取り付けられている。

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右側面から見た中継器ユニット。アンテナ等を除けばあまり目立った特徴が無い。

IED探知システムの研究

IED*5というとある意味で古くて新しいという言葉がぴったり当てはまるような気がします。

従来は組織的な抵抗運動などで使われてきたIEDですが、実際のところ正規軍同士の戦闘の方が被害が大きいこともあってあまりフォーカスが当たることはありませんでした。ところが、アフガニスタン紛争やイラク戦争といった戦場での被害が正規軍同士の戦闘以上に大きいものとなってきたことから、最近になって対策の必要性が取り上げられている状況です*6

ねらいとしては郊外や都市部に敷設されたIEDに対して人員や車両を防御するために、IEDの敷設位置を高速に探知することとなっています。そのため各種センサー類を用いて離れた位置から走行しながら一定範囲をまとめて探知することで、IEDの威力範囲外から安全かつ効率的に探知を行うものとしています。

センサー類は地中に埋設されたIEDを探知するという目的でマイクロ波レーダーや赤外線カメラ、地上に設置された表層型IEDを探知識別するという目的で高分解能なミリ波レーダとLIDAR*7を用いるとあります。
現時点ではまだ試作品ということで、車両そのものも民生品の日野・デュトロに架装したものとなっています。将来的には既存の車両に架装することで活用することを想定しているようです。

こういった情報処理は最近ではAIを用いた分析などがさかんに研究されていることから、こういった観点との結びつきが出てくるとIT屋目線では面白いように感じました。

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IED探知システムの研究に対するねらい、コンセプト、試作品の機能についての記述。

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新規探知システムの構想。既存自衛隊車両に架装し探知システムで取得した情報とデータベースから必要な情報を抽出、追記することで複数のセンサによる自動探知結果を統合して表示させたり、地理情報と結びつけて記録することで経路探索に活用したりすることを狙っている。


ベースとなっている日野・デュトロはご存知「ヒノノニトン」こと2t~3t積みの比較的小型のトラックです。
見た目もオリーブドラブ色にしておらず、こういった防衛関係の機材として並んでいなければGoogle Street Viewの新しい機材にも見えなくもありません。

情報処理やそれらの統合も去ることながら、装置そのものの小型化も今後課題になっていきそうです。

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IED探知システム試作車両の右側面。レーダを始めとした各種センサーが架装されているが、それ以外は一般的なシングルキャブタイプのヒノノニトン民生トラックである。

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車両前面。ヒノノニトンもとい日野・デュトロの4WDモデルをベースとしている。前面のフェイスから推測するに現行仕様ではなく、2011年までトヨタからのOEM供給を受けていたモデルではないかと思われる。

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車両左側面。各種センサーを稼働させるために追加で発電機らしき設備を搭載している。

*1:これは方向性こそ違えど最近では民生用自動車でもこれを目的としたハイブリッドシステムが出始めている。

*2:キャタピラを履いた車両

*3:化学(Chemical)、生物(Biological)、放射線(Radiological)及び核(Nuclear)の略

*4:諸外国の工兵科に相当

*5:即製爆発装置。よくあるパターンとして自動車なんかに爆弾を仕込んでドカン、というようなことをするものと思えばよろしいかと。もちろんワンパターンにそれだけじゃないのが面倒なところですが。

*6:正規軍同士の大規模な戦闘――所謂会戦と呼ばれるような点としての戦争から、交通路や地域の治安維持という線や面としての戦争に質的に転換しているというのも大きいかもしれません。

*7:レーザを用いた測距及びイメージング