伊達要一の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

靴ずれ戦線 魔女ワーシェンカの戦争(速水螺旋人/Ryu Comics Special)

 
独ソ戦というと日本においてはドイツ側からの話が多くなっている印象がある。そりゃあ、ソ連側の話題となるとどうしても玄人好みになってしまうし、多士済々のドイツ側を取り上げた方が商売的にもいいわけでわからんでもないが、ソ連萌えの偏ったひとたちからするとちょっと寂しいところではある。
本作はそんな独ソ戦をソ連側から、しかも伝承を交えた形で描いた作品だ。なんというかあまりにハードルが高すぎだろとか思うわけだ。だいたいバーバヤガなんて元ネタがわかるやつが日本に何人居るんだという話である。
だが、これがとんでもなく面白いのである。ロシアの魔女ワーシェンカとNKVDの眼鏡っ娘少尉ナージャのどたばた珍道中をメインにしながら独ソ戦を描いている。どちらかといえば独ソ戦のミリタリ成分よりも伝承を交えたオカルト要素の方が多く、ミリタリ関係に弱い人でも大丈夫な作品だ。
また、速水螺旋人さんの特徴でもある法螺話要素も満載。ここのところ、重たい話題の本ばかりが続いていたので、ちょっと箸休めに読んでみると大変に楽しい一冊だと思う。