伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

今日のはてブ(2017/01/23)

インドア派を自認しています。伊達要一です。
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野外で飲むコーヒーという幻想

冒頭述べた通り生まれついてのインドア派なんですが、外でコーヒーを沸かして飲むということに幻想を持っていたりします。

缶コーヒーに宣戦布告!?「ラーメン、コーヒー、そして俺」を使ってみた!【キャンツー逸品】 | clicccar.com(クリッカー)

基本的にコーヒーを飲む用のグッズと割り切った方が良さげ。ただ、物凄く惹かれるものがある。

2017/01/23 14:07

こちらの製品なんですが、Amazonでは(というか恐らくメーカーでも)在庫切れっぽい感じです。

奇抜な製品名ですが要するにパーコレータとクッカー、それにコーヒーミルがセットになった製品ですね。要するにコーヒーメーカーセットと思えばよいかと思います。手元の電子辞書では情報が不足しているので例によってWikipedia*1より引用をば。

パーコレータ は、コーヒーを抽出する器具の一種。または、この器具を用いたコーヒーの抽出方法のこと。1827年にフランスで考案され、特に西部開拓時代のアメリカで普及した。一見すると普通のポットのようであるが蓋を開けると中には運動会の玉入れに使うような篭が入った構造を持つ。

パーコレータ - Wikipedia

この「西部開拓時代のアメリカで普及した」というのがミソで要するにアウトドア向きなんですね。「他の抽出手段のようにコーヒーフィルターを使わないこと、構造が簡単なため故障が少なく洗浄も楽である事が特徴」(パーコレータ - Wikipedia)とあるように、荒っぽい取り扱いと消耗品を使わなくて良いというところにメリットのあるアイテムです。現実的にはクッカー部分やパーコレータの洗浄が必要ですけど、ガラス器具のコーヒーサイフォンなんかと比較すれば荒っぽい取り扱いが出来るという意味で確かにアウトドア向けですね。

東方卓遊戯タグのつくようなニコニコ動画の作品――というかソード・ワールド2.0のリプレイ動画を好んで見ているんですが、一番良いなぁと思うのが野営のシーンなんですよね。当然身の安全を確保しなきゃならないわけで傍目で見るほど暢気なものじゃないのはわかっているんだけど、焚き火を囲んでメシを食ったりしているシーンは心が和みます。
あと、若い頃椎名誠にハマって、あやしい探検隊シリーズだとかを読み漁っていたりするとキャンプに憧憬を持っていたりするんですが、現実的に自分の体力や健康状態を考えると二の足を踏むわけで。

そういったこともあって、せめて野外でコーヒーを淹れて飲むってのは是非やりたいところです。

代替となるのはこのあたりでしょうか。

過去買ってそのままになっているコールマンのガスボンベがあるので、コールマンで揃えてみたいところですね。

*1:こういう細かい道具とかサブカル領域については信憑性云々はさておき記述が充実しているのがWikipediaの凄いところだとは思う

今日のはてブ(2017/01/21)

辞書を引くことを日常になると、何でもかんでもWikipediaな若い連中を見て血圧が上がる程度の老害になります。伊達要一です。
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電子媒体における辞書コンテンツ

流石に辞書と言っても、紙媒体のものを持ち歩いたりデスクに置いたりするのはしんどいところなので電子辞書を愛用しているんですが、その理由がまた一つ減った感が。

iOS向け辞書アプリ「精選版 日本国語大辞典」の発売が開始、1月末まで4,800円 - 窓の杜

地味にキラータイトルをぶっ込んできた感がある。定価が書籍のほぼ半額というのはまあ妥当なところか、どうか。

2017/01/20 10:41

日本国語大辞典といえばある程度日本語の文章に関わる職業であれば、知らなければモグリと言わざるを得ない日本語における最高峰の辞書です。現代的な用字用例だけで言えば近年刊行されている中辞典クラスの辞書*1に一歩劣る感はありますが、古い用例を含めて引く場合にはこれを当たるのが一番早い大変に便利な辞書です。私自身も用字用例で完全に詰まったときには基本的にこいつを引きます。流石に全巻揃いを自宅に置くのは厳しいので図書館頼みですが。ちなみにここに出ていないような用字用例が出てきた場合は、もはや完全に専門書を調べないといけないレベルになるので図書館のリファレンスに相談しましょう。
ちなみに昨年「旦那」の語義について調査を依頼したんですが、まだ返答が無いorz
yohichidate.hatenablog.com

それで、今回はてブで取り上げた精選版というのは上述した全巻揃いから用例を削って3巻本にしたもので電子辞書に搭載されていたりします。というか現状ではカシオEX-wordシリーズだけですね*2。最新の機種としては2017年2月発売予定の「XD-G20000」という型番のものになります。いわゆるフラグシップモデルですね。

Amazonでも結構良いお値段しますが精選版の日本国語大辞典を買うより安いと思えば、まあ妥当なところですね。他の辞書をオマケとしてもある意味オトクではあります。

私が今までスマートデバイスの辞書アプリやPOMERAの辞書を使わなかった理由は簡単で、これが無かったからなんですよね。用例が削られていると言っても主要なものは残っているし日常使いにはまあなんとかなる感じですので。大体広辞苑とセットで引けば大概の語については調べられます。
ちなみに完全に余談ですが形容動詞を認めていないという観点で個人的に広辞苑は日常的に使う辞書としてはアウトだと思っています。少なくとも子どもの居る家庭では完全にアウトです。初等教育中等教育で学ぶ日本語口語文法や文語文法のみを正規なものとするつもりは無いですが異説の位置付けであることは間違い無いので。

今回スマートデバイスというかiPhone/iPad向けに出たのは地味にキラーコンテンツだと思っています。従来広辞苑クラスまでしかこの手のデバイス向け辞書は無かったわけで、これが入ってくると電子辞書から乗り換える向きは結構出てくるんじゃないかと思っています。なんだかんだで電子辞書は色々とデジタルガジェットが増えてくるなかでジャマくさいのは事実なので。価格に関しても日本国語大辞典だけ欲しいということであれば、定価の7,800円でも十分安いし上述の電子辞書よりも格安です。正直、手元に無ければこちらを買っていたかもしれない程です。

今後電子辞書がこういったスマートデバイスに真っ向から対抗するとしたら、やはり日本国語大辞典の全巻揃いを電子辞書することですね。これ、十万クラスでも私は買います。用字用例で詰まったときにいちいち図書館に行かなくていいことを考えるとそれだけの価値があると思っています。

*1:要するに広辞苑大辞林のような国語辞典

*2:かつてセイコーインスツルが搭載した電子辞書を出していたが電子辞書から撤退してしまった

今日のはてブ(2017/01/18)(2)(2017/01/21追記)

お役所仕事と揶揄されるいわゆる役所の振る舞いですが、それ以上にお役所仕事な界隈を見てきた経験があるとコメントに困る今日この頃の伊達要一です。
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理念も無ければ品性も知性も無く、規範も無い小田原市

延々と続く不況によって地方自治体職員の質が結果的に向上してしまうという大変皮肉な状況のなか、古き「悪き」日本のお役所のような腐臭のする出来事に思わず顔を顰めてしまいます。そもそも、地方自治体職員は佐藤大輔*1虚栄の掟に書かれているように、不出来な連中を地元のコネで半ば押し込めるようなところだったわけです。まあ、80年代において自衛隊員の質が極端に悪くなっている*2のを見れば分かる通り、まあ要するに民間サイドにおいて人的資源を多く求める状況になればその程度の連中しか集まらないような職場というわけです。もちろん意識は高く業務に従事されている方々も多数存じてはいますが、全般状況を見ればそんな状況です。

そんなわけでいわゆる「お役所仕事」という言葉はある意味その時代を反映したような言葉であって、大変皮肉なことに冒頭述べた延々と続く不況により死語化しつつあるわけですが。

小田原市職員:「保護なめんな」ジャンパーで受給世帯訪問 - 毎日新聞

エンブレムがリヴァプールFCのものをそのまま持ってきてコレってあたり、もはや頭痛しかしてこない。

2017/01/18 10:29

上に述べたような役所の職員の程度というものの背景を知っているなかでこの事件を見て、最初の印象は「まあ、氷山の一角だわな」というものでした。所詮小田原市なんて神奈川県でも寂れて辺鄙な地域の役所、地方自治体職員なんてその程度で理念も無い連中がいるなぁと思っていたわけですが。

ところがこちらのツイートと当該ジャンパーのエンブレムを見て思わずギョッとしました。
www.asahi.com

エンブレムのもととなったのがリヴァプールFCのエンブレムで、恐らくはこの手のジャンパーを作る業者が出してきた見本から選んだ*3ものと思われますが、よりにもよってリヴァプールFCとは!

私自身この事件があって調べたことで始めて知ったんですが、あのエンブレム自体非常に重たい意味が多いんですよね。

リヴァプールFCのエンブレムには、アンフィールドのシャンクリー・ゲートの門飾りや、サポーターのアンセムともなっている"You'll never walk alone"の文字、リヴァプール市の象徴ともなっている鳥「ライヴァー・バード」(Liver Bird)などが用いられている。
ライヴァー・バードの左右にある炎は、サッカー史に残る惨事と言われる『ヘイゼルの悲劇』と『ヒルズボロの悲劇』への追悼の意を表している。また、ライヴァー・バードはリヴァプール市内のピア・ヘッドに位置するロイヤル・リヴァー・ビルディングの二つの時計台上部にある鳥をモチーフにしている。このライヴァー・バードはリヴァプールの船乗り達の守り神である。

リヴァプールFC - Wikipedia

実のところ当該エンブレムの細かいディティールはリヴァプールFCと微妙に異なっています。上に引用したシャンクリー・ゲートの門飾りに関してはパッと見は同じ感じですがトーチの炎の部分は明確に異なります。恐らくはジャンパーを製造する業者が「リヴァプールFC風」とするために勝手に変えて見本として提供しているのではと推測する次第ですが、正確なところはなんともですね。

部署内で勝手連的に作ったものとはいえリヴァプール市に根ざしたクラブチームのエンブレムを、このような出来の悪い地方公務員並の理念も無ければ品性も無いシロモノに用いるというのは、クラブチームはおろかリヴァプール市から抗議を受けてしかるべきものでしょう。今日現在小田原市のウェブサイトにはこの件については何も記載がありません。プレスリリースにも出ていませんね。記者会見や市長のコメントでは受給者への謝罪はありましたがこのあたりについて触れた報道は今のところ出てきていません。

本来役所は法に基づき業務を執行するものであって知的財産権を侵害するようなこんなジャンパーを作るようなことが業務ではないでしょう。百歩譲って「リヴァプールFC風」ということある種のパロディとして作成するのであれば、元ネタに対するリスペクトがあって然るべきであって、このエンブレムにはそういったものを見て取れません。有り体に言ってしまえばリヴァプールFCとそのサポーター、そしてリヴァプール市を愚弄しているとしか思えません。

正直に言えば、地方公務員に高い理念や品性、知性など期待しません。ただ、守るべき法という規範すら持ち合わせないのであればもはやそれは社会にとって有害でしょう。人事異動で別部署に所属している連中も含めて厳正に処分すべきですし、市長としてリヴァプールFCリヴァプール市に謝罪をすべきです。小田原市民もこんな「理念も無ければ品性も知性も無く、規範も無い」連中と思われたくなければ市当局に対して広範に抗議を行うべきです。


(2017/01/21 追記)
2017/01/20付でようやく正式なリリースが出たようです。

生活保護における不適切な行為についてのお詫び
このたび、本市の生活支援課職員が、不適切な表現が記されたジャンパーを着用し業務に従事していたことにより、生活保護を受ける方々のお気持ちを傷つけ、市民の皆さんとの信頼関係を大きく損ねてしまいました。担当職員らに厳重注意を行い、使用を全面的に禁止しましたが、市民のいのちや暮らしを守るべき市職員として配慮を欠いた不適切な行為であり、許されるものではありません。このことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。

このジャンパーは、2007年当時窓口で職員が切りつけられる傷害事件や業務量の多さ、不正受給への対処など厳しい職務環境の中、生活支援業務にしっかりと取り組んでいこうとの強い意志を担当職員が共有するために、任意で作ったものと聞いています。
このたびの件の問題は、不正受給の可能性があたかもすべての保護受給者にあるかのような認識をもたれる不適切な表現が記されたジャンパーを製作し、生活保護受給者を含めた市民の前で着用していた事実、そして10年にわたってこのジャンパーが着用され続け、その行為に対する内部での見直しや異論が出てこなかったことにあると考えており、生活保護制度を利用する権利を抑制することにつながるのではないかという当たり前の感覚が欠如していたと言わざるを得ません。
そこで、このことの深い反省に立ち、生活支援の現場に携わる職員だけの問題とせず、組織全体として、市民一人ひとりに寄り添う職務を遂行するための意識付けを行うとともに、生活困窮者をとりまく諸問題の改善により一層取り組んでまいります。

現在、高齢化の進展と相俟って、生活保護が必要な方々が増え続ける状況の中、その背景や温床となっている格差社会、分断社会、貧困化にどう対処していくのか。行政の役割として、地域に雇用の場を確保し、経済活性化への取組を進め、支援が必要な方々をお互い様の気持ちで支え合い、経済格差が貧困の連鎖に繋がる現状を断ち切っていく。このような取組を進めていくことが、このたびの件に対するより本質的な対応にもなると考えています。

私たちは、数年来、将来都市像「市民の力で未来を拓く希望のまち」の実現に向け、市政の筆頭命題として「いのちを大切にする小田原」を掲げ、様々な取組を進めてきました。生活保護制度についても、適正な運用はもとより、受給者への自立支援、保護世帯の子どもたちへの学習支援なども含め、生活保護を受ける方々への様々な配慮や支援も進めてきています。
それゆえに、このたびの件により、生活保護制度への不寛容、さらには生活支援が必要な方々への不寛容さを小田原市が持っているとのイメージが全国に発信されてしまったことはまことに残念でなりませんが、この機会を、小田原市の進化の機会として受け止め、市民の皆さんと共に、喜びも苦労も分かち合いながら安心して暮らせるまちを目指してまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

小田原市長 加藤 憲一

小田原市 | 生活保護

「担当職員に厳重注意」とありますけど2007年当時に製作に関わった連中についてはどうなのか? とか、「窓口で職員が切りつけられる傷害事件」はまだしも「業務量の多さ」については要員配置がタコなだけだろうとか、ツッコミどころ満載ですがまずは最低ラインのステートメントを出してきたということですね。

現場での苦労はまあ想像に難くないわけですが、それによって得られた生活保護の適正化と要員の苦労が明らかに見合ってないと思うのは私だけでしょうかねぇ。タコな個別最適にしか見えないのだけども。

*1:この人もロクに原稿を書かないアレな作家ではありますが

*2:ちなみに海上自衛隊内のいわゆる「いじめ」とされる事件なんかは、帝国海軍時代の私的制裁の流れを汲むというよりも長期間の航海や環境の悪さによって不人気の海上自衛隊曹士が集まらず不出来な曹士を艦隊勤務に就けざるを得ないという悪循環もあったりする。ある意味で海上自衛隊に関しては80年代の状況が継続しているのかもしれない

*3:もしくはある程度海外サッカーを囓った本件当事部門所属者が選んだ可能性もあり

今日のはてブ(2017/01/18)(1)

倉庫や製造現場でウロウロ三年やっていたこともある、伊達要一です。我ながらよくわからない人生と思ってなりません。
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要するにハンディターミナルということ

過去にWindowsベースのスマートデバイスはハンディターミナルの代替として一定の需要があると書いてきました。
yohichidate.hatenablog.com
yohichidate.hatenablog.com

ハンディターミナルというと今ひとつピンと来ない向きも多いようですが、実のところそれなりに利用者は多いはずなんですよね。倉庫や製造現場という極めてシビアなコンディションで用いられる*1ものはともかく、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのようなチェーンストアは大概WindowsOSを搭載したハンディターミナルを使っている筈です。というのも、大概のチェーン店の場合、POSと連携した形で在庫情報や売上情報、売上予測などの情報が出せて仕入れ発注にそういった情報が必要になることもあり、導入時期こそ違いがありますが大抵仕入れ担当の店員はこの手の端末を操作しています。極度に自社業務に特化していることが多いため、あまりそれという認識が無いだけなのかもしれませんが。

【.biz】富士通、フルWindows 10搭載の6型片手持ちタブレット「ARROWS Tab V567/P」 ~120cmの耐落下性能やIP54準拠の防滴/防塵機能を備える - PC Watch

一般的なイメージのタブレットスマートフォンではなくて、倉庫なんかで使うWindowsCEベースのハンディターミナルの代替ですね

2017/01/18 10:21

この記事で読むべき箇所はここだけです。

 主たる利用用途としては、運送/倉庫での在庫管理や物流システム、病院における回診端末、教育現場、店頭接客など。

【.biz】富士通、フルWindows 10搭載の6型片手持ちタブレット「ARROWS Tab V567/P」 ~120cmの耐落下性能やIP54準拠の防滴/防塵機能を備える - PC Watch

富士通といえば典型的な日本のSIerで、チェーンストアや製造業にはガッチリ食い込んでます。間違いなくハンディターミナルの代替提案としてこれを担いでシステムごと提案に回ることでしょう。

ハンディターミナルとそれにまつわるシステムは、時期として90年代の後半から2000年代の前半くらいに大規模な展開が行われたという印象があります。これは印象論だけではなくて、当時WindowsCEという組み込み用途向けのOSが1996年にリリースされていることが傍証となります。一般向けにはモバイルギアカシオペアといったハンドヘルドPCのOSというイメージが強いですが、どちらかといえばチェーンストア向けのハンディターミナルに使われるOSとして地味に普及していました。製造業に関していえばファクトリーオートメーション(FA)の展開なんかのタイミングと関わることがあり、更に世代が古い独自OSを用いてテキストデータを中心にデータ連携させるものも結構あったりします。
で、現在2017年なわけですが、2000年に導入したとして15年以上経過しています。システム自体は細かい改修やカスタマイズを施して弥縫しているものと思われますがいかんせん端末自体の劣化は相当厳しいことになっています。さらに上述したハンディターミナルなんかはもっと期間が経過しており、システムよりもハンディターミナル自体の老朽化やさらに交換用バッテリの製造中止やデータ連携用メディアが使えないといった、色々とコメントに困る状況に陥っているわけです。

こういった機器について、一時期Microsoft側の制約が大きく中々出てこなかったんですが、Windows10になってそこの縛りが緩くなりようやく出てきたという感がありますね。恐らく次はPanasonicあたりがTOUGH PADファミリで出してくるんじゃないでしょうか。今回出てきた富士通のARROWS Tab V567/PはIP54*2レベルで防爆仕様にはなっていないため火気厳禁の製造現場や倉庫では使えないですが、PanasonicであればTOUGH BOOK/TOUGH PADファミリでのノウハウもあるし出してきそうです。
現にFZ-E1というWindows Embedded 8.1 Handheld Update 2やAndroidを搭載したモデルで防爆対応のものが既に出てます。
panasonic.biz
恐らくCPUやメモリを強化してWindows10版のものを出してくると思います。

*1:火気厳禁のところだと防爆仕様が必要だったりする

*2:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)であらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)

今日のはてブ(2017/01/17)

昔、労働安全衛生法関係のところでヤバい状態を放置していた現場にブチ切れて部門を巻き込んだ大騒ぎに発展させた前科があります。伊達要一です。
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本命は36協定違反隠しのヤミ残業

過去何回かこのネタは取り上げてきましたが、いよいよもって大事になって参りました。
(過去の関連記事は末尾にまとめて掲載します)

JRA、電通の競争入札参加停止 違法長時間労働で措置:朝日新聞デジタル

事前にこういった規定を導入していたクライアントも当然あるだろうし、36協定違反隠しのヤミ残業問題はより一層波紋を広げそう。

2017/01/17 14:33

昨年末に電通の石井社長が沈む船から逃げ出す鼠よろしく辞任を表明したんですが、このあたりの入札指名停止なんかも関係しているとようやく気づきました。このニュースを受けていわゆるお役所関係の入札公告とかをざっと眺めたんですけど、確かに労働者保護法令違反を理由に入札から排除する例は結構ありますね。

例えば、東京労働局から出ている「平成27年度 墨田合同庁舎・町田地方合同庁舎 交通誘導業務委託」だと以下のような文言が記載されています。

2 競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項
次の各号の要件を全て満たしている者であること。
(中略)
(7)過去 3 年間に、労働基準法労働安全衛生法最低賃金法、職業安定法、労働者派遣法などの労働者保護法令の違反で司法処分に付されたことがないこと。

平成27年度 墨田合同庁舎・町田地方合同庁舎 交通誘導業務委託

別件で国土交通省関東地方整備局では具体的に業者を名指しで指名停止措置をかけていたりもします。

指名停止措置の概要
(中略)
3.指名停止措置の範囲:関東地方整備局管内

4.事実概要
 当該業者の代表取締役は、法定の除外事由がないのに、同社の労働者に対し、法定労働時間を超えて時間外労働させたことなどから、労働基準法に違反するとして平成26年1月8日付けで常陸太田簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受け、当該命令が同月30日に確定したことが、建設業許可部局の監督処分により判明した。
 
5.指名停止措置理由
 有資格業者である当該業者の代表取締役労働基準法に違反したことは「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(昭和59年 3月29日付け建設省厚第91号)及び「地方整備局(港湾空港関係)所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」(昭和59年3月31日付け港管第927号)別表第2第15号(不正又は不誠実な行為)に該当する。

国土交通省関東地方整備局 指名停止措置について

地方自治体なんかでも同様の事例は結構あるようですね。抜書が面倒なのでリンクにしますが赤穂市では明文化されたものがWeb上に転がっています。

今回、検察送致だけの状態で適用したのはかなり動きが早いですが、この後起訴され裁判となって処分が確定した場合お役所関係の案件について軒並み入札から排除されることが予想されます。1ヶ月の指名停止は短いようで結構大きくて、現状取り扱っているような案件でも取り消しになったりするわけで、電通としてはそれなりに痛手を被ることになるでしょう。冒頭石井社長が辞意表明という話をしましたが、本件に関する管理責任について株主代表訴訟を受けたりすることも含めて考えるとまさに逃げ出す頭の黒い鼠というのが当てはまるの感ありといったところです。

この動きですけど、最終的には2020年に開催される東京オリンピックに関するところにも関わってくるんじゃないかと密かに思っています。現状では電通の扱いだそうですが、この後裁判で処分が出たときに当然大々的に報道されることが予想されるわけでそのときに維持出来るかどうかですね。法的な部分については恐らく逃げが打てたとしても当局としては面倒を避けるという意味で扱いを外すなんてことも出てくるんじゃないでしょうか。まあ、国内で他に受けられるであろう博報堂も急に振られてもというのはあるでしょうから、現実的には微妙なところでしょうか。よくわかりません。

で、東京労働局や労働基準局絡みの動きです。
過去の記事でも少し書きましたが、今回の事件について当局としては単純な36協定違反で済ませるつもりは毛頭なくて本命は36協定違反「隠し」のヤミ残業やタイムカード等改竄のところでとことんまでやることを考えているように思えます。今回のケースで見えてきたわけですが、36協定違反に対して本来法に基づく対応をせずにヤミ残業やタイムカード等の改竄という犯罪行為をするインセンティブがそれなりにあるんですね。過去当局としては36協定違反を中心に取り締まっていたという経緯もあり書面上整った状態になっていれば良いような空気になっていたところに、思いっきり爆弾を投げ込んだ感があります。それで強制捜査が入って改竄されている可能性が高いタイムカードと入退館記録という「宝の山」を拾われてしまったわけで。

年末の検察送致からマスメディアへ当局サイドからリークされている情報が色々と出回っているわけですが、上記の「宝の山」を用いて追加でヤミ残業やタイムカード等改竄のところにつき、検察送致する自信があるという傍証ではないかと考えます。こちらでも法人として検察送致からの起訴・裁判・処分のコースを辿るとなると相当な数の役員や幹部職員が立件される可能性があります。
それこそ、今回の事件で犠牲になった方の所属していた部署だけではなくて全社的に横行していたとなればほぼ全社レベルで立件対象者が出てそのうち悪質なものを随時立件することになるのではないかと思われます。

労働法関係で刑務所にブチ込むなんてところまで持っていくのは現実的じゃない*1けど、晴れてゼンカモンであります。社内の処分でどのくらいパージされるかまでは電通の社内事情になるんでしょうけど、最低でもお役所関係の案件に関しては本件に関して無傷の人間を持ってこないと立場的に辛いことになるでしょう。

無責任な立場で言えばもうここまで来たらとことんまでやるしか無いわけですが、電通側が当局に恭順を示すタマとして上で書いたような東京オリンピックからの撤退も起きるのかもしれませんね。

*1:本件に関して適用されるであろう罰則は「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」であるため、恐らくは罰金刑で懲役だったとしても量刑相場として執行猶予はつく可能性が極めて高い

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