伊達要一@とうきょうDD954の書棚と雑記

伊達要一の読んだ本の紹介と書評、それと雑記

ニコンF3最強伝説(マニュアルカメラ編集部/枻文庫)


ニコンF3に焦点をあてたムック本的な一冊。この手の本は割高に見えて意外に知らなかった事実がサラッと書いてあったりしてなかなか侮れない。
例えば、ニコン=プレス向けという印象があるけども、モータードライブを使った高速連写に関していえばキヤノンニューF-1に後れを取ること10年、F3Hでようやく実現したとか。ニコンの持つイメージと実際とが異なっていたという事実は、案外気づかないものでこの手のムック的なものとしては結構辛口の書き方だし非常に勉強になることしきりだ。
また、本文中でスタジオでのポートレイトやブツ撮りをメインにされているプロの機材が載っていてかなり参考になる。85mmF2、50mmF1.4、105mmF2.5の組み合わせという、どうしても長物(300mmとか400mmとかね)に目が行ってしまう素人には、ハッとさせるものだ。考えてみればブツ撮りで長いズームは不要だし明るいレンズの方が便はいいわけで、トーシロカメラマンもそこらへんを考えて機材は買わないといけないなあ、などと自分を棚に上げて思うわけだ。
また自分を棚に上げて語ってしまうのだが、写真を撮るのであればこういう「雑学」的なものを読んでみるとまた世界が広がるのではないか、などとエラソーに語ってしまうトーシロのアテクシなのだった。

絶対ニコン主義!(マニュアルカメラ編集部 編/枻文庫)


ニコンカメラの最高級機について纏めたムック的一冊。折に触れて「質実剛健」という表現を使っているあたり、まさにニコンのブランドイメージってのはここにあるんだなあと思う。私がニコン信者になったのもこのあたりのイメージに魅了されたのが大きいわけでして。とはいっても、イメージ先行の部分は多分にあるのかなあとは最近は思っていたり。
実際プロユースではキヤノンも相当使われている(不肖・宮嶋氏もあんなハードな環境でキヤノンだし)わけで、必ずしも報道カメラマン=ニコンとは言い切れない所がありますな。
とはいえ、一度身についたものってのはなかなか振り払えないもので、たぶん今後もニコンという会社がある限り、カメラを買うならニコンになってしまうんだろうな。
とくに読む必要は無いと思うけど、ニコンの一眼レフカメラの歴史に触れたいなら一度目を通しても悪くないかと。